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子どものこと : 子供の「脳」は肌にある

『子供の「脳」は肌にある』山口創 を再読しました。

前に読んだのは半年前ぐらいかなあ、まだ娘のねんね期の頃。「一歳児の頃におおらかにいたずらを許してもらうと自主性が高くなる」「大人にはいたずらに見えても、子どもからすると、今までできなかったことが嬉しくて仕方ない。それを自分で何度も確かめている」と書いてあったのを読んで、ほーそっかー!嬉しいんだ!と思い、家の中ではほとんどダメと言わずに観察しています。

最近、自分の意思表示が出てきて、言ってることも少し伝わってる気がする。コミュニケーションと呼べるやりとりが出てきた感じ。好きなこと、やりたい気持ちを自分でちゃんとキャッチできる子になってほしいので、できるだけ否定しないように安心伸び伸び過ごせる環境をつくりたい。

母とのスキンシップ、父とのスキンシップが育むもの

人と人が肌を触れ合うことは、良くも悪くも強い情動を伴う。これ、本当にそう。赤ちゃんと暮らしてると、お互いに触れ合っている時間の多いこと。この文章を書いている今も、一枚布の抱っこで密着してお昼寝中。温かさや息づかいを腕の中に感じてると、愛情が増幅する。しあわせ。

母子のスキンシップと、父子のスキンシップは、異なる効果があるのだそうです。

母とのスキンシップは、「抱っこ」「添い寝」「授乳」などお世話としてのスキンシップが多く、自分は受け入れられ大切にされているという自信を強め、人を信頼することを学ぶ。

父とのスキンシップは、「一緒に遊ぶ」「泣いてるときに頭を撫でる」などコミュニケーションとしてのスキンシップが多く、世の中に意識を向け、人と協調して自分を出したり引っ込めたりする社会性を伸ばす。

父親に対して、もっと娘のお世話したらいいのに〜それがコミュニケーションだよ〜と思うこともあったけど、そっか、母親と父親で同じことをする必要はないのか。そもそも物理的にも身体的にも同じようにはできないし。父親とのスキンシップは、頻度が少なくても母親とのそれとは違った影響を与えると知って、父母のみでなく、子どものことを大切に想ってくれる人たちとたくさん触れ合って、多くのことを感じ自分の基盤として取り入れながら広く大きくなってほしいなあ、と思ったのでした。

思いやりを育てるスキンシップ

思いやりのある子に育ってほしいって、親なら誰もが考えると思うんだけど、思いやりってどうやって伸ばすのか、わからなくないですか?

子どもは幼いほど自己中心的で、幼少期の関わり合いの中でゆっくりと思いやりの気持ちが育まれる。性急に思いやりを求めてしまうと、褒められたいからとか叱られないためにそれっぽい行動をとることがあるけど、ホンモノの思いやりは頭で考えるんじゃなく心で感じるもので、思いやられた経験がその心を育てるのだそうです。納得。

そしてここで話の中に出てきたのが、子どもの恐るべき模倣能力。赤ちゃんの表情が親に似るとか、子どものコトバ遣いが家庭を反映するとか、もうすべてがここからだよね。

模倣には、目の前にモデルがいる「直接模倣」と相手が目の前からいなくなってからの「延滞模倣」があるんだけど、この子どもの延滞模倣って、イメージとして記憶してるのではなくて、同一化して自己の身体にはらみ温め、それが孵化するようにして演じているのだそう。たとえばウルトラマンごっこをするとき、子どもはウルトラマンになりきっている。へー。ほー。すごいな。子どもの柔軟性というか、吸収して自分のモノにする能力って、ほんとにすごいよね。

もうひとつおもしろかったのが、子どもは「自分が見たとおり」ではなく「相手がしたとおり」にする、ということ。たとえば目の前で自分に手を振るのを見たときに、子どもにとって見えてるのは手のひら。もし見たとおりに模倣するなら自分に手のひらを向けて手を振るけど、そうはしない。これは大人も同じで、人間にとって本質的なこと。ヒトは目の前にいる人を見るときに、モノや風景を見るときのように客観的に見ることができず、知らないうちに相手の身体軸に自分の身体軸を重ねている。鏡にうつる自分が左右反転しているようにみえるのも、これが理由。思いやりの基礎になる「共感」は、相手の身体に自分の身体を重ね合わせる感覚として起こる「交感」を前提に生まれる。思いやりのとは、相手の感情を自分の身体を手がかりに推し量ることなのだそうです。高度だなあ。

というわけで、ふだんから子供に対して思いやりを示す行動をたくさんしていれば、子どもはすぐその場で模倣していなくても、同じような行動が身について、他の人に同じことをできるようになる。ということでした。

子どもは自分をうつす鏡っていうけど、本当にそのとおりだなと思う。自分の生き方が問われることで、生き方を見直すきっかけになる。

こちょこちょ遊び

乳幼児期にたくさんスキンシップをすることは、依存心を減少させて自立心を育てるのだそうです。そこで、親子の温かいスキンシップとして「なでなで」と合わせて紹介されているのが「こちょこちょ」。

くすぐるときは、くすぐられる人だけでなく、くすぐる側も必ず笑顔。人は笑うことでストレス発散され気分がよくなったり、体もリラックスして免疫力も高まる。くすぐり遊びはとっても健康的。

こちょこちょしてあそぼう♡

「いたいのいたいのとんでいけー!」

体の痛みとスキンシップについて考察している箇所がありました。

どうやら、痛みのある部位に触れる(なでたりさすったり)ことで、痛みってやわらぐらしい。触覚と痛覚は異なる神経繊維で脳に到達する。触覚を伝える神経繊維は痛覚を伝えるそれよりも太く、痛みよりも速く信号を伝えることができ、痛みを伝えるゲートを閉める働きをするんだって。動物が怪我したり痛いところを舐めるのも、舐めて別の刺激を与えることで痛みがやわらぐから。

「いたいのいたいのとんでいけー」って、痛みから気を逸らしてるんだと思っていたのだけど。痛いところに手を当ててやることで痛みが軽減・子どもの不安を心理的に拭う・注意を逸らす・痛みを外に取り出すことで本当にそうなったかのような錯覚を起こす、といういくつもの理由があるそう。馬鹿にできないね。


動くたびに抱っこ抱っこってせがまれるとなかなか大変なこともあるけど、たくさん抱きしめて触れて育てて、親の手を離れてからもたくさんの人に温かく触れられ愛される子になってほしいな。

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