修道院の素朴なお菓子

 北海道のアンテナショップへ時々行く。
 北海道の食べ物はどれもおいしい。私が特に好きなものはニシンの昆布巻き、イクラ、味噌ラーメンにじゃがバター。甘いものなら六花亭のマルセイバターサンド。そして最近新しいお気に入りができた。
 トラピスト修道院で作られているトラピストクッキーだ。

トラピストクッキー

 トラピスト修道院は北海道北斗市にある修道院で、正式名称は灯台の聖母トラピスト大修道院だ。明治29年に創立された歴史ある修道院で、「祈り、働け」をモットーとして修道院内で発酵バター作りやそのバターを使ったクッキーを作っている。
 北海道は酪農が盛んで、乳製品はどれもおいしい。さらにこのトラピスト修道院で作られるトラピスト・バターは中世から続くフランスのシトー会修道院の伝統製法で作られているらしい。
 トラピスト・バターを使ったこのトラピストクッキーもバターの風味豊かでとてもおいしい。シンプルで素朴な味ながら、何度もリピートしてしまうのはこのトラピスト・バターのおいしさにすっかりハマってしまったからだろう。

 海外、特にヨーロッパではその修道院で作られるお菓子が有名な修道院もあるらしい。
 トラピストクッキーをきっかけに修道院のお菓子に興味が湧いて、最近こんな本を購入した。

 著者の丸山久美さんはスペインに滞在したことがあり、この本にはスペインの修道院に伝わるお菓子のレシピが書かれている。レシピだけではなく、そのお菓子の成り立ちやスペインの修道院についてのコラムも載っており、読み物もしても楽しめる。
 どのような経緯で修道院でお菓子作りが行われるようになったかという歴史や、キリスト教の伝統的な慣習もこの本から知ることができた。ときどき見かけるカタラーナというお菓子が修道院発祥のものだと知ったり、「聖人の骨」というユニークな名前のお菓子の味を想像したり、ページをめくるたびにワクワクした。
 ボリューム的には95ページと一般的な料理のレシピ本らしいボリュームだが、とても内容が充実していて購入してよかったと心底思った。

 私はキリスト教徒ではないので、これまで修道院や教会はその建築様式ばかりに注目していた。
 今回、お菓子という新たな発見もあり、いずれは北海道の教会や修道院を訪れる旅行をしたいなと思う。行ってみたい場所リストがどんどん増えていく。楽しい!

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灯台の聖母トラピスト大修道院
 修道院の公式サイト


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