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殺処分ゼロ運動の裏側

那覇市、初めて犬の殺処分ゼロに 保護92匹のうち81匹は飼い主に返還 11匹は譲渡 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/740240?fbclid=IwAR2TiBgM2uIxI4B4Q7aPm6vVTfltcEPzZhFwOsQ09uoamc2Fn2zzKqUbiVA

犬の処分数がゼロになったことは大変嬉しいことです。譲渡や返還に力をいれた結果です。犬の場合は狂犬病予防法により捕獲されてしまいますので、収容後は返還、譲渡しか選択肢はありません。

飼い主のいない猫(野良猫)問題

今は猫が大きな問題です。猫の処分数は43匹。主に負傷で収容された猫が殺処分の対象になっています。

処分数が激減している背景には飼い猫および野良猫の引き取りをしないことが大きな要因の一つです。記事に記載されていますが、引越しで飼えないなどの理由では、引き取りはせずに、新しい飼い主を探すなどを指導しているそうです。
しかしながら、新しい飼い主を探す方はごく一部の人ではないでしょうか。
おとな猫の里親探しには時間もかかりますし、正直なかなか里親さんはみつかりません。切羽詰まった状況で時間もなければ、遺棄を選択するだろうと想像できます。

行政が駆除目的で引き取りをしないことは私も大賛成ですが、引き取りをしないことで、街中に猫が増え、猫に関わる苦情が増えている状況です。日々、私達の元に那覇市や他市町村から野良猫に関わる相談があります。住民同士のトラブルにまで発展しているケースもあります。住民同士のいがみ合いになった場合、解決へ導いていくこと至難の技です。

猫に対する様々な価値観を認め合うこと

この問題を解決するために、那覇市も飼い主のいない猫にたいして、不妊去勢手術をし、元いた場所に戻す、いわゆるTNRを行っています。
また、多くの市民ボランティアさんも自身でTNRを行なっています。なかには糞掃除などもおこない、適切な猫のお世話をしていたとしても、住民の理解が広がっておらず、怒られることが多く、疲弊してしまっています。引き取りをしないということは、市民に飼い主のいない猫の扱いをお願いしたのですから、猫を命ある存在とし、好きな人、嫌いな人、双方の意見を聞き、猫に関わる苦情を減らし、誰もが住みやすい住環境の創出をマネージメントをすることが行政の役割ではないでしょうか。

※餌やりは法律では禁止されていませんが、周辺に配慮した餌やりマナーを守りましょう。

そして、最近はコロナ禍で寂しいという理由で安易に犬猫を飼い、飼いきれなくなって捨てるという話も聞きます。処分数だけで、動物が置かれている現状が改善されたいう誤解を招いてしまいがちです。

毎日、誰かが猫を保護したり、TNRを行なっています。一部の市民やボランティアが飼い主のいない猫を減らすために努力をしている現状です。市民と協働の街づくりとうたうのであれば、行政の役割を自覚していただきたいと思います。

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