見出し画像

【短編小説】桜の波紋

池の水面(すいめん)に桜の花びらが
ひらひら、と落ち
小さな小さな波紋(はもん)を作った

ひらひらり
くるくるり

波紋は中央から外に向かって
輪(わ)を描きながら広がる

水面が、ゆらゆらっと揺れる
花びらも、ゆらゆら揺れる

くるくるり
ゆらゆらり

互いに互いを揺らしあい
互いが互いに影響を与える

広がっていくにつれ
波紋の輪が広くなった

その輪は水面と一つになり
元の池へと戻る

しーん、と静かになった池に
春風(はるかぜ)が、ふわっとふいた

ふわふわり
ひらひらり

あちらこちらで波紋ができる
水面が慌ただしくなった

ひらひらひらり
くるくるくるり

しーん、となった池に雨が降る
雨粒と花びらが散る

ぽちょんはらり
はらはらり

池は一面、薄桃色(うすももいろ)に染まった

朱色(しゅいろ)のコイが
薄桃色の絨毯(じゅうたん)を切り裂くようにパシャンっと跳ねた
大きな大きな波紋ができた

私の心にも、ぽちょんと波紋が広がる
私の心に輪が、ぽわぽわんと伝わる
恋という名の波紋が…

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⚠声劇や朗読に どうぞ使ってください
交互に読み合う 群読 もオススメ
時期がズレて すみません(^^;;

#フリーBGM ひらひらり#ひらひらり
当て書きだったりしますんで もし興味ある方は ひらひらり 聞いてみてくださいね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?