【詩小説】ハロウィン輪舞曲(ロンド)
みんなが寝静まった
学校の理科室
アルコールランプに火が灯る
試験管と三角フラスコが
カタカタ音を奏でる
標本の蝶がヒラヒラ舞う中
骨格標本のガイコツ
人体模型の男の子
ホルマリン漬けのカエルの王様
顕微鏡の坊や が 輪になり踊る
ハロウィン 輪舞曲(ロンド)
天秤はリズムに合わせ左右にカタカタ
妙にデカく育った金魚は
口をパクパク歌い出す
ハロウィン 輪舞曲(ロンド)
ビーカーとメスシリンダーは
無駄に互いに測り合い
ガスバーナーは 燃え上がる
ハロウィン 輪舞曲(ロンド)
一夜限りの輪舞曲(ロンド)
一番鶏(いちばんどり)が鳴けば
終了の合図
うっすら空が明るくなる頃
理科室は しーん と静まり返り
元通り
理科室の輪舞曲(ロンド)
一夜限りの輪舞曲(ロンド)
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