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【短編小説】おかっぱパッツン前髪

ホームルームが終わると
教室から忽然(こつぜん)と姿を消す

成績は中ぐらい

運動は苦手


そんな彼女は
『おかっぱパッツン前髪』


皆に押し付けられ 年中 風紀委員

制服は 規定通りで

着崩すなんて

彼女の辞書には無いのだ


そんな彼女は
『風紀委員の
おかっぱパッツン前髪』


ある日 私は 彼女の後を追いかけ
教室を飛び出した

が…彼女は 異常に逃げ足が早かった


そんな彼女は
『逃げ足が早い風紀委員の
おかっぱパッツン前髪』


さあ!尾行 第2ラウンドの始まりだ!!

私は走った

『おかっぱパッツン前髪』を追い求め
走りに走った

『おかっぱパッツン前髪』の秘密を暴(あば)くべく


彼女は空き家に入って行く

そーっと中に入ると…


「待ってたでチュか!?
    お腹すいたでチュね〜
      よちよち〜」

んっ!?なにっ!?
彼女がっ赤ちゃん言葉 喋ってる?!

子猫に 微笑みを浮かべて
給食に出たパンと牛乳を与えていた


そんな彼女は
『子猫には赤ちゃん言葉の
逃げ足が早い風紀委員の
おかっぱパッツン前髪!!』

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