【短編小説】BitterAngelビターエンジェル ~No.2の存在意義~
youを引きずり落とすことにする
No.1の座から 引きずり落とす
ただ引きずり落としても 面白くない
そうだ♪ youを悪役に仕立てよう!
前々から youは 気に食わなかった
あんな人がヒーローなんて
No.1だなんて間違ってる
だから meがヒーローに成り代わるんです
世代交代ってやつですよ
自分の気持ちをストレートに言い
自分の思う通りに生きてる
それが 俺たちのNo.1ヒーローの
キャラだから許される
ハァ?ふざけるなっ!!
じゃあmeは なんの為に
youや おバカさん達に
愛想笑いを浮かべて
媚び売ってきたのか…
なんの為にNo.2の座で耐えてきたんだ?!
何やってもNo.1のYouと比較される
言動が派手で サラッと民を救い
キメるとこキメてくる
そんなYouがカッコよくて ずっとずっと憧れだった
もうすぐ手が届くと思うとスルッと
すり抜け遠くに行ってしまう…
だんだんと憧れは妬みへと変化していった
meだって救ってきた
救ってもらうことに慣れてしまった おバカな民の為に 身を粉にして守った
賞賛されるのは いつもYouだ
No.1のYouだ
meはYouの… オマケだった
この日の為に着々と手は打ってきたんだ
あの人と関係を持ち、あちら側と手を組んだ
それぐらいしないとYouは倒せない
Youがヴィランと繋がりがあると言う噂が世間に一気に広がった
必死に自分の身の潔白を訴えるヒーロー
だが… 民たちは罵声を浴びせた
繋がりがあるのはmeなのにね …
やっと やっと日の目を浴びれる
さあ ショータイム!
下克上の時間ですよ
これじゃ まるでmeがヴィランか…
構うもんかっ!
Youを 地に這(は)わす為なら
Youが 悔しがる顔を見ることが出来るなら いくらでも黒くなる
さよなら 元No.1ヒーロー
安心してください
これからは meが No.1です
meは BitterAngel(ビターエンジェル)
現No.1ヒーロー
限りなく黒に近い白の存在