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【短編小説】ホットココアに浮かぶマシュマロのように

まるで ホットココアに浮かぶ
マシュマロのように

時に肩を寄せ合い 語り合う

時に見つめ合い 微笑む

時にアナタと ぶつかり
ケンカしてしまうことも

時にカップの淵の左右に別れ
離ればなれになることもある

アナタと離れ
この温かな空間に包まれながら
浮かんでいると

だんだんと しだいに
ワタシの気持ちも穏やかに
アナタの気持ちも穏やかに

あったかココアは
お互いの気持ちを
ほっこりさせてくれる


「そろそろ、ひとつになりたい」と
アナタはワタシを求めてくれた

嬉しかった
…嬉しかった…けど

まだまだ アナタと
ひとつになりたくないと思ってしまう

アナタという存在を認識していたい
アナタを意識していたい

カタチとして個人としてアナタを
認識していたいと思ってしまう

まだ この感覚を味わっていたいと思ってしまう

もう少しだけ この心地いい関係でいさせて…

いずれは アナタと共に
ココアに溶け合う

ひとつになるのはアナタと
って思ってるんだよ

どんなにケンカして衝突しても

アナタと溶け合いたい

とろんとろんと
まったりと…

まるでホットココアに浮かぶマシュマロのように

もう少しだけ アナタと
たゆたっていたい

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