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日本一長く服役した男 安藤光夫

事件の発覚

1956年12月12日夕方、岡山県岡山市の道路上で精肉店の妻(29)が殺害された。警察は翌13日に同店店員の少年A(19)に任意出頭を求め、取り調べを進めた。Aが、住所不定の安藤光夫(20)と共謀して犯行を行ったことを自供したため、警察は2人を強盗殺人容疑で緊急逮捕した。

事件の概要

2人は精肉店の売り上げが毎月約10万円あり、妻が持ち帰るのに目を付け、強盗を計画した。Aが安藤に肉切包丁を手渡し、10日に犯行を打ち合わせたが、10,11日と安藤の都合で決行せず、12日夕方に実行に移すこととなった。※1956年の国家公務員の大卒初任給:8700円
2人は妻を待ち伏せ、Aの合図で安藤が左手に持っていた肉切包丁で右首を刺した。しかし妻が大声をあげ、抱いていた長男が泣声をあげたことから、1つも物を取ることができず、逃走した。

2人の出会い

安藤はかつて大阪の少年院等に入所していたことがあり、その後、更生施設に入所していた。2人はそこで知り合った。

その後

共犯として安藤には無期懲役の判決が下り、1958年に確定。犯行時住所不定だったことからも、窺えるように安藤には身寄りがいなかったという。
そのことが原因で仮出所が認められず、結局61年間服役することになり、「日本一長く服役した男」として、取り上げられることになる。そちらの詳細はNHKのドキュメンタリーで。

引用
(朝日新聞岡山版:1956.12.14)

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