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カエルの小指 道尾秀介

読書感想文です。

今回はコレ。

『カエルの小指』道尾秀介 講談社文庫

【あらすじ】

「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」
詐欺師から足を洗い、実演販売士として生きる道を選んだ武沢竹夫に、訳ありの中学生・キョウからとんでもない依頼が。
母親が残酷な詐欺被害にあったのを境に、厳しい現実を生きることになったキョウ。
武沢は彼女を救うため、かつての仲間を再集結、大仕掛けを計画する。

前作『カラスの親指』から、十数年後の話です。
前作の内容を知らなくても楽しめますが、ぜひ前作も読んでほしいですね。
『カラスの親指』は映画化されているのでそちらでも。

『カラスの親指』も騙されたけど、今回もしっかりと騙された。
それはもう、気持ちがいいくらいに騙された。



ここから先はネタバレを含む可能性がありますので、ご了承ください。

冒頭、ある人のお墓参りから始まります。
この時点で前作を読んだぼくは悲しい気持ちになった。

十五年前、武沢は、自ら命をたとうとしている一人の女性を救います。

この女性は十五年後、娘のキョウの前で、フードコートで飛び降り自殺をはかります。
何故か。

キョウの母親は結婚詐欺にあい、実家の会社からお金を渡してしまいます。
気が付いたときにはすで遅し。
会社は倒産。
母親は憎き詐欺師を探し出し、その詐欺師を包丁で刺してしまいます。
これを苦に飛び降りたのです。

キョウは母親を騙した、詐欺師に復讐するために、昔、母親が命を救われたことがある武沢に接触します。
「あなたには責任がある」
そう武沢に言い、協力を求めます。

それは実演販売のやり方でした。
実演販売でTVに出演し、優勝してお金を手に入れ、そのお金で探偵を雇い、詐欺師の行方を探すためです。
武沢は仕方なく教えることになりますが……。

こんな感じに物語は進みます。

読んだ後は、作者の凄さに脱帽です。
ちょっとした出来事が全て伏線になってます。

えぇ?これも伏線だったの??
そんな状態になります。

最後にはホロリとします。

きっと読んだ人は道尾秀介氏に騙されるでしょう。

騙されたい人におすすめの小説です。

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