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「とも君」:アウトサイダーアーティストによる現代アート作品


作品タイトル「とも君」
制作年 2023年
素材 紙 セロテープ 写真
サイズ 縦20cm 横25cm 高さ36cm

作品コンセプト
作者が描く絵は、作者自身の主観や感覚によって描かれているので、それを言葉や技法によって他者に説明することができない。

なので作者は自身の制作するアートをアウトサイダーアートと定義している。

作者にとって現代アートとは、他者に向けて作品を説明する必要があるものだと考えている。

作者が現代アート作品を制作する理由は、作者が作者自身のアートをアウトサイダーアートではなくアートだと思っているからである。

説明できないことを説明する時には、説明できないことを認める必要があると考えられる。

その上でより明確に説明できないことを説明しようと試みることが、アウトサイダーアーティストが現代アート作品を制作することになるだろう。

作者の絵が主観や感覚によって描かれた割合が多いことで他者に言葉や技法によって説明できる割合が少ないことをライプニッツのモナドという概念で例えてみる。

モナドとは単純で不可分な存在であり、内部に自己完結的な活動を持ち、外部からの影響を受けないとされている。またモナドは互いに影響しあわず、完全に孤立した存在であるとされる。

外からモナドの中へ入ることができないため、「モナドには窓がない」といわれるが、主観や感覚によって描かれたため言葉や技法で説明できない作者の絵を他者が観ることは、内側からしか観ることができないものを外側から観ているように作者には見える。つまり「モナドを外から観る」という例えができる。

説明できないことを説明できないと認めた上で、より明確に説明しようとするために「モナドを外から観る」という例えを使って、作者が作者自身を客観視する作品を制作するということを説明とする。

聖書では神の国に入るとされる赤子の分身を作り、作者の幼少期の呼び名である「とも君」という名前にした。

「モナドには窓がない」という状態にするため、作者の絵の写真でとも君を埋め尽くした。

作者自身が作者自身を明らかにして眺めること。

そしてその内側にある共時性芸術の存在を表現する。


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