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【おすすめ】読み書きが苦手な子もイキイキ唱えて覚える漢字指導法【書籍】

今回も言語聴覚士&保育士として働いている私がおすすめする本になります。

こんな人におすすめ

漢字を教えるのに難儀している親御さん、少し変わった漢字指導をしたいという学校の先生、効果のある指導をしたいとお考えの療育の現場で働いている方々におすすめできると考えています。

どこがおすすめなの?

 まず漢字を教えるのによく聞く漢字ドリル。これはとてもいいツールなのですが、効果的な活用がなされていない現状があるのではないかと筆者は仰っています。

 漢字ドリルが使われる例として、カドと呼ばれる宿題がついて回るようなのですが、ただ漢字をいくつか書いてきなさいと先生から言われたといった情報しかこのドリルに関して聞いたことがありません。

 漢字ドリルには成り立ちや熟語、書き順、例文といった語を理解するための大事な情報があるのですが、時間の都合か、説明されても興味が持ちづらい部分なのかそこが理解されないまま進められていることが多いように感じます。

 しかし指導者や同じことをやり続ける子にはメリットはあります。
 
 例えばいくつかけたか、どこまでやってきたか、どこまで進んでいるかが分かりやすく、毎回同じことをすればいいというルールの理解を多く必要としない所や昔から言われている手に覚えさせるという方法としては効果的ではないかと思います。

 一般的な話として、反復練習は飽きますし、意味があるのか分からない作業をやらされているのは誰だって苦痛を伴う気がします。

 お子さんの中でこの苦労が将来役に立つといったことやこれを乗り越えた先に強い自分になれるといった高みを目指し続けるお子さんがいればいいのですが・・・そんなうまい話はないので、そこに乗せれるよう支援者側は頑張る必要がありますね。

 話を戻しまして、今回お勧めしている本では反復練習で身につかない子を対象としており、感覚や手続記憶、視覚性記憶(筆順がわからないといったもの)、協調運動の苦手さがあるお子さんにより効果を示すものではないかと考えています。

 まず感覚面は指先の感覚が曖昧で入っている感覚がよくわからないといった事例があります。そんなよく分からない情報を何度も入れても中々身につくものではないと推察されます。

 次に手続き記憶ですが、これは協調運動や視覚性記憶が正確であれば残りやすいのではないかと思われます。

 というのも例えば記憶が曖昧で毎回違う筆順で行ってしまうパターンやパーツが足りない、違う線を書いてしまうといったことや、協調運動の問題で筆跡が乱雑で形態を保つ字が書けないなど、これらをクリアしないと手続き記憶は育たないのではないかと考えます。

 いうならばこの手続き記憶に残せる土台がなければ反復練習は意味をなさないのではないかと勝手に思っています(私談)

反復練習よりいいの?

 先程お話した通り人には反復練習が向いている子もいますし、手続き記憶に残った方が意識せずに書け、ストレスも少ないと考えられます。

 この書籍では反復練習による手続き記憶に頼らない方法を取っており、主に漢字が嫌いになって書きたくない子の別の手段、聴覚的記憶や理解が高い子、漢字に躓いた子に段階を踏んだ覚える手立てを提言されています。

 筆者は盲学校での指導をしていたということがあるそうで、視覚に頼らない。もしくは視覚以外の記憶を使うことでの指導法は、視覚情報で物をとらえがちな私たちに違うアプローチを教えてくれる本ではないかと考えています。

 そんな今までたくさん漢字を書いた方が覚えられるという価値観をぶっ壊せるこの本。

 一度お手に取ってみてはどうでしょうか?

書籍情報

著者:道村 静江
出版:明治図書
発行年:2017年7月
目次
1章 本当に今までの漢字指導法でいいの?
2章 読み書きが苦手な子どもへの漢字指導の手立て
3章 全員参加!全員熱中!大盛り上がりの漢字指導の「しかけ」
4章 「書く」指導のために知っておきたい漢字のしくみ
5章 「読む」指導のために知っておきたい漢字のしくみ
6章 読み書きが苦手な子どもへの指導ポイント
7章 「混乱・迷い」正す覚え方の具体例

最後

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 ここまで読んで頂いた方ありがとうございました。もしよければ次回のnoteでもお会いしましょう。

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