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海の生物分析_葉羽

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生物分類技能検定「水圏部門」2級を持っている私の仕事の話など。
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記事一覧

自然科学の詩人とSakiのコラボレーション

鳴き砂で有名な ”姉子の浜”(福岡県)をイメージして曲を作りました。 この曲、『さらさらと、さらさらと』は、私が歌声合成ソフトに歌わせた初めての曲です。なので、表情とかあまり細かく打ち込んでいないんだけど、それでもこれだけ豊かに歌ってくれて感動。ちょっと気怠い雰囲気がいいです。Synthesizer V Saki_Standardのナチュラルな声質は、素朴でしっとりとした曲にもよく合うなと思います。 『さらさらと、さらさらと~姉子の浜鳴き砂の詩』 ところで作詞は私ではなく

シャーレの中の7ミリほどのホヤに顔がっ!! 「何か用かぁ〜い?」

フジツボの足まねきと、うららさん

(タイトル画像は倉谷うららさん監修フジツボガチャと、私が作ったシジミのチャーム。) 上司が私のリハビリを兼ねて簡単なベントスの検体を持って来てくれた。 そういえば最近フジツボやってないな、、付着やってないから。 フジツボは私が最初に分析修行した生物。ちょっと恋しくなったので、倉谷うららさんの著書『フジツボ〜魅惑の足まねき』を引っ張り出してきた。 この本には、そこかしこに可愛いイラストや画像、ステキな愛の言葉が散りばめられていて、しかもページの右下にはフジツボの変態パラパ

転んでしまう貝類の検体撮影には、小麦粘土!

検体の撮影で丸みの強い二枚貝、巻貝って苦労しますよね。コロッと傾いちゃってなかなか正面に向いててくれません。 そんな時は貝の裏側に100均の小麦粘土をちょっとつけて、地面に軽く押し付ければいいのです! 試しにスーパーのアサリを家で簡易に撮影してみます。iPhoneです。 ライトとか無いので影写ってます、決して国交相提出用ではありません~。 さっそく、何もせずそのまま撮影すると、 殻頂のほうが盛り上がってしまい、焦点が良い位置に定まりません。 横から見ると、こんな感じに

ワレカラ愛がすごい絵本

「はるも おわりのころ まだ ひんやりとした うみのなかを・・」というファンタジックな文で始まる不思議美しい絵本。 大雑把に言うと、 お父さんと男の子が泳いで藻場に辿り着くと、お父さんは海藻の枝を海の中で振ってみせる。すると小さな生き物たちがぽろぽろとこぼれ落ちる。ひょこひょこと踊るように泳いでいる。 男の子「これはなに?」 父「われからだよ」 そしてストーリーは、お母さんワレカラの子育てへと展開していく。 ワレカラの他にも私達には馴染み深い生物がたくさん描かれてい

神様は越えられない試練は与えない、とは思えない

(「神」「試練」それらの言葉の正しい定義は別として、この一文の一般的な使われ方において。) 試練に苦しんでいる人への常套句、 「神様は乗り越えられない試練は与えないよ」 この言葉で励まされる人もいれば、追い詰められる人もいる。 「あなたはそんな試練も越えられないの?」「もっと大変な人もいるんだよ」と、その人の苦しみを否定していることにもなる。苦しいと感じることさえ咎められてしまったら、どうだろう。 自分が今直面している試練は、他の人にとっては些細なことかもしれないし、

生物分類技能検定2級合格は、瞬発力!

11月は受験の季節ね、今年はもう終わったかな? 数年前の自分を思い出す・・・。 ーーー ある日、女性上司からお達しが。 「葉羽さん、水圏生物部門2級を取って来て下さい。1級は必要ありません。」 へっ??? そんな、それって大学院とか出ていないと無理じゃないの?? 私は高校中退、卒で言えば義務教育卒だよっ。 しかも合格率10%だとぉっ?! でも、でも上司の期待に応えたいっ! 張り切ると言うより、使命感で膝ガクガク~~。 試験まで半年しかない、さっそく今日から勉強開始

絵心が無い私の生物スケッチ、自分がわかれば良いのだ!

絵なんて描いたことないよ。 丸を描けば始点と終点噛み合わず。 直線引けばどう見ても直線にあらず。 でも仕事で生物を覚えるにはスケッチは不可欠。 ほぼ顕微鏡下でもくもくと海の生物を描く。 中でも大変なのは、エビちゃん。 脚多いからめちゃくちゃ時間がかかる。 最初に描いた時は午前中いっぱいかかってしまった。 二枚貝もフォルムがシンプルなだけに意外と難しい。 鉛筆でちょこちょこ、描いては消し、描いては消し。 でも、見た目どおり描けた時は我ながら惚れ惚れする。 上司いわく、