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児童虐待が未発見・未保護の被害者の存在を忘れていませんか?

虐待予防の3段階という以下の専門家の見識があります。
①レッドゾーン(要保護)
②イエローゾーン(要支援)
③グレーゾーン(虐待とは言えないが、不適切な養育)

虐待ゾーン

レッドゾーン(要保護)とは、重度の虐待で、子どもの生命や安全を確保するために、児童相談所が強制的に介入し子どもの保護等が必要な状態を言います。

イエローゾーン(要支援)とは、軽度の虐待と言えます。このまま放置すると、レットゾーンへと移行する危険性が考えられますので、問題を深刻化させないための支援が必要な状態を指します。

グレーゾーンとは、虐待とは言えませんが、不適切な養育と言える状態で、親に対して、何らかの啓発や助言という支援をしていくことにより、子どもへの不適切な養育を改善していくことが必要な状態を指します。

専門家の間では、上記のように虐待のレベルが3段階に分類されています。しかし、子ども虐待は、3段階ではなく4段階だと私は思います。では、4つ目とは何でしょうか?

それは、④透明ゾーン(虐待が酷くても未発見・未保護の子ども達。また、2000年の児童虐待防止法が制定される以前の児相介入もなく、虐待がレッドゾーンであっても、発見も保護もされずに大人になった時代の被害者たち)

専門家の間では、子ども虐待は3つのカテゴリー分類されていますが、実際のところ、4つのカテゴリーが実態だと思います。④透明ゾーンの被害者(専門用語で、潜在的児童虐待被害者)の数が相当に多いと思われますが、専門家も、④透明ゾーンの被害者の存在を忘れているのではないでしょうか?

そして、この④透明ゾーンの被害者の多くは、2000年に制定された児童虐待防止法以前の児相介入すらなかった時代の被害者であり、現在の「親世代」が透明ゾーンの被害者に当たります。

この30年。子ども虐待の専門家たちは’’子どもを虐待から救い出す’’という対策しかしてきませんでした。虐待された子どもが大人になった時の「虐待の後遺症」にあまりに無知で放置してきました。これでは「虐待の連鎖」はなくならず、児童虐待はいつまで経っても解決しません。これが日本が児童虐待の対応に失敗した一番の原因だろうと私は思います。以下の記事も合わせて読んでください。

※子ども虐待の後遺症の典型的な症例については、以下の書籍に詳細にまとめてあります。精神科医の和田秀樹先生の監修・対談付き。

※上記の図(イラスト)は、以下のサイトより転載させてもらいました。


虐待の被害当事者として、社会に虐待問題がなぜ起きるのか?また、大人になって虐待の後遺症(複雑性PTSD、解離性同一性障害、愛着障害など多数の精神障害)に苦しむ当事者が多い実態を世の中に啓発していきます!活動資金として、サポートして頂ければありがたいです!!