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徒手療法×運動=最強説

こんにちは。


今回も徒手理学療法のコンセプトについてお話していきます。

今回は、
Mulligan conceptとMcKenzie conceptについてご紹介いたします。

どちらのコンセプトも、徒手理学療法に分類されますが、セルフエクササイズや患者自身が動くことに主眼を置いているのが特徴です。


①Mulligan concept
ニュージーランドの理学療法士、Brian Mulliganが作られたコンセプトです。

コンセプトにおける重要なポイントは、痛みや可動域制限などの機能異常は関節のpositional fault(位置異常)が生じているため、これを修正することを目的としている点です。

このpositional faultを修正するため、セラピストが関節を正しい位置に矯正すると同時に、患者自身に運動を行ってもらうのがMulligan conceptの手技の大きな特徴です(脊椎ではSNAGS、四肢ではMWMSと呼んでいます)。

そして、これらの手技を行なっている間は必ず痛みを発生させてはいけません。(PRPという特殊な手技を除きます)

治療が上手くいったら、患者自身でSNAGSやMWMSが行えるようセルフエクササイズを指導していきます。

痛みを生まないためには凹凸の法則や関節面といった、関節の解剖学及び運動学の知識が必須です。

Mulligan conceptには関節以外にも硬い筋肉を伸張するアプローチや、関節のpositional fault修正の効果を持続するためにテーピングも行います。

Mulligan先生が患者さんの指を治療している際にヒントを得て、他の関節でも有効では?と試行錯誤されながら発展してきたコンセプトであり、現在では手技の有効性を証明する論文も多数出ております。

Mulligan conceptは、日本徒手理学療法学会が開催する理学療法士の方対象のセミナーで受講できます。

また、以下の書籍でも勉強できます。

ただ、実際に講義を受けてない人には分かりにくいかもしれません。


洋書ですが、こちらはカラーで見やすいです。


英文が苦にならない人はどうぞ。


ちなみに、amazonのkindle unlimitedでも読むことができる、インド人??の方が書かれたMulligan conceptに関する書籍があります。

が、こちらは内容に大きな誤りがある上に筆者はMulligan conceptの公式ティーチャーではありません。

ですので、みなさんは購入しない&読まないようにしてください(と、講習会にて先生が念を押していました)。



②McKenzie concept
こちらもニュージーランドの理学療法士、Robin McKenzieによって体型化されたコンセプトです。

もしかしたら、腰を反らせる「マッケンジー体操」として、耳にしたことがある方もいるかもしれません。

McKenzie conceptでは、痛みに対して従来の病理・病態分類(椎間板ヘルニア、すべり症、変形性関節症など)を用いません。

ある特定の運動(腰を反らせる、首を上に向けるなど)を繰り返し行った結果、痛みがどのように変化したかをモニタリングして、独自の分類に基づき痛みをマネジメントしていくのが大きな特徴です。

また、痛みを患者自身でコントロールできるようにセルフマネジメントを徹底させることもMcKenzie conceptの根幹であり、セラピストには徒手的な介入は最小限にとどめることが求められます。

手技自体、他の徒手理学療法に比べて多くない上に細かい規定も少ないですが、その分Mckenzie conceptを使いこなして患者さんを良い方向へ導くために様々なスキルが求められます。

手技の技量はもちろん、痛みを減らすためのアイデアやクリニカルリーズニングスキル、患者のマネジメントスキルなどなど、、
突き詰めるほど奥が深いコンセプトだと思います。

とりあえず、「マッケンジー = 腰を反る」ではない!
ということだけでも覚えていただけたらと思います。


McKenzie concept独自のセラピスト向け書籍はありません。

これらの書籍には一部の考え方や手技が掲載されています。


一般の方向けの本であれば何冊か出版されています。


これらの書籍でもMcKenzie conceptのベーシックな考え方を知ることはできるので、気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。

また、国際マッケンジー協会が講習会を開催しております。

受講資格は限定しておらず、柔道整復師や鍼灸師、トレーナーの方でも受講が可能です。

興味がある方は是非受講してみてください!


では、今回はここまで。

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