始発の車窓から|茉記
何年ぶりだろう。
日曜日の朝の始発電車に乗り、東京駅へ向かった。
前日の夜、果たしてわたしは起きられるのか…と
ドキドキしながら横になった。目覚まし時計を3:00に、スマホのアラームも5分おきにセットしたけれどほとんど眠れなかった。起きられたから余裕があると思っていたら、そんなこともないのがわたしらしい朝の風景。
この日は始発電車に乗ることが最優先。
2年ぶりに履くトレッキングシューズの紐をキュッと結び、自分の身長の半分くらいありそうな大きなリュックを背負って駅に向かった。
夏の朝らしく、外はもう明るくなりはじめていて風も心地よい。ウォーキングやランニング中の、しなやかなひとたちとすれ違った。
始発電車に間に合いほっとしていたら、昇りはじめた朝日が電車の窓から一瞬見えた。
「今日はいい一日になりそう!」
子どもの頃、日が暮れてからの帰り道はお月さまがどこまでも追いかけてくると思っていたけれど、この日はわたしが、どんどん昇っていく朝日を電車の窓から追いかけている気分だった。
眠っていた街が動き始める
早朝、暗い時間から起きていると
静まり返っていても、なにかが目を覚まして動き始めている気配を感じることがある。
眠っていた街が動き始めるとき
ひとつの楽器のかすかな響きから始まり、楽器がどんどん増えていき、響きが重なりひとつの楽曲が奏でられる交響曲のように感じる。
鳥の鳴き声や、誰かの足音、バスや車の音や
誰かのアラームや「おはよう」、お湯を沸かす音も
すべてが一奏者だ。
そんな時間をゆっくりと感じられた日は格別だ。
東京駅に着いたら、すでにたくさんの人が行き交っていた。
この日の行き先は越後湯沢。フジロックの最終日。
約束の時間前にバッタリ会えた友人たちと朝ごはんを買い、予定していた新幹線に乗り込んだ。
79年前の今日、8月6日の朝を思う。
日々の祈りと今日の祈り。
それぞれの平和への祈りが届いてゆきますように。
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目を留めてくださり、ありがとうございます。 いただいたお気持ちから、自分たちを顧みることができ、とても励みになります! また、皆さまに還元できますよう日々に向き合ってまいります。