仮面ライダーガッチャードを見終えて

明確に良い回と悪い回がハッキリと分かれていた印象。まぁ好き嫌いかもしれない。

まず、渡辺勝也が素晴らしい。5・6話のプロレス回は長谷川脚本の熱量をしっかり画面に乗せていてブチ上がる。長谷川脚本は料理の仕方によってはクドくなることも多いんだけど、ナベカツは巧いね。

続く14話ではりんねと宝太郎の橋でのやり取りがスゴい。りんねが橋の上で宝太郎に悩みを話す→回想→りんねだけ橋の下に降りている、宝太郎は背景となった橋の上に立っている→回想→宝太郎、りんねの側に寄り添う。この一連のショットの移動の省略が素晴らしい。一気に距離を詰める。

その後ブンブンジャーへ移動するも、44・45話で再登板。この巧さは替えが利かないからねー。

で、渡辺勝也はライバルの黒鋼スパナをダークヒーローとして演出しており、暗がりに置いたり、宝太郎と対立させたりする。それが大変素晴らしかったのだけれど、21話で彼が仮面ライダーになるにあたって、その文脈を無視して御涙頂戴の家族の物語として締めくくってしまう。これはとっても残念であった。仮面ライダーになったことではなく、彼から暗さが奪われたことが、である。個人的には、やはりそれ以後のスパナは魅力に乏しい。埋没していたと思う。なお、この暗さのバトンはミナト先生へ渡るわけだが、それも一時的。やはりこういう表現は、今はウケないのだろうか。

ちなみに、渡辺勝也の再登板とちょうど時を同じくして、スパナは再び宝太郎の対立軸に立つ。で、一騎打ちに繋がるわけで、これまた盛り上がる。

他のメンツだと、ライダー初参加の田口清隆が良かった。しっかり自分のカラーが出ていて面白く、東映でのシリアスも見たくなる。

田﨑演出は終盤取り戻すも調子悪かった気が。36・37話とかどうした?と思う。凝った画面こそあれど、イマイチ冴えない。
劇場版と最終三部作の速度と密度はさすが。やはり田﨑演出の真骨頂はそこにある。(みんな、詰め込みすぎとかいう捉え方からは脱けよう)

山口恭平はなんか迷ってる?得意のコメディやりつつ試行錯誤が見えた気が。

福沢博文は今後も撮るならもう少し芝居に意識向けないとキツいと思う。

長谷川脚本は合ったり合わなかったり。内田脚本はモラル的に良いのか?と思う箇所がちらほら。井上亜希子脚本は未知数だが好感触。

いずれにせよベテランから新参まで色とりどりでそりゃ良い/悪い、好き/嫌い出るよなと思う。全員次も楽しみ、ということで。

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