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やれること全部やってから死になさいよ


「パーフェクトワールド」というドラマが、すごく良かったのです。

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(以下ネタバレを含みます)

このドラマは事故により下半身不随・車椅子生活になった
松坂桃李さん(役名:鮎川樹)が

12年ぶりに再会した山本美月さん(役名:川奈つぐみ)と
恋に落ちる話なのだけど、

登場人物が、全員いい人なんですよ…!!!!

いい人ばかりで、

(むしろ、つぐみを想い続ける幼なじみの
瀬戸康史さん(役名:是枝洋貴)とか
いい人すぎて、「こんな人、いる!?」って感じ…)

誰一人として悪意無く、
相手の幸せを思っているにも関わらず、
それぞれの価値観・正義がぶつかるんですよね。

結果、主人公たちがすれ違いまくる。

誰も悪くないのに、
うまくいかないシチュエーションが切なくて、
毎エピソード、涙腺がゆるんでしまう。

後半、主人公たちが本当の幸せ・理想に気づき、
自分の気持ちに素直になっても、

そこでもまた、周囲の人の理解が得られず、
結局、どう生きても難しいんだ…ということにも
気付かされます。

制作陣が意図したであろうドラマの見どころの一つとして、
下半身不随の人が抱える不便さもふんだんに織り込まれていて、
「こういう苦しさがあるんだ…」と勉強になります。

褥瘡(じょくそう)、幻肢痛(げんしつう)、
排泄コントロール、尿毒症(にょうどくしょう)などなど。

人生のどこかで、そういう不便があるという知識は
仕入れていて、言葉としては知っているけれど、
深刻さを具体的には知らない言葉を
シチュエーションこみでインプットし直せました。
(プラス、名前のつかない、日常の不便さあれこれ)

もう全編学びと良いセリフだらけで
毎回ノート片手に教材を見るような勢いで見ていたんですけど、
特に印象に残っているシーンが2つあって、

1つめは、松坂桃李さんが障害を背負ってしまい、
もう自分なんかに生きている価値はないと絶望し、
自殺しようとするけれど、
自殺さえ自分の意志ではできないというシーン。

ここで、看護師の中村ゆりさん(役名:長沢葵)が言う

「どうせ死ぬなら、
やれること全部やってから死になさいよ!」

というセリフが心に染みました。

私も消えたい気持ちになることがあるけれど

「ここで終わるくらいなら、
どうせならこの命を捨てたと思って燃やしつくそう」

という気持ちで生きています…。

私なんて、身から出た錆も多いし、
もっと理不尽なことで戦っている人と
比べてはいけないかもしれないけれど、
この言葉には勇気をもらいましたね…。

==

それからもう1つは、松坂桃李さんが山本美月さんの
お父さんに初めて会うシーン。

運転していた車から降りてこない
松坂桃李さんのことを、松坂さんが
障害を持っていることを知らないお父さんは

「車から降りて挨拶しないなんて
失礼な若者だ」
と思うんですよね。

でも、実際は下半身が動かないから
車から降りるのも一苦労で、
降りないわけではなく、降りられなかったと。

このシーン
「相手には、自分からは見えていない事情がある」
と気付かされます。

その事情を知っていれば、
その人のことを嫌いにならずにすんだのに、
知らないから、すれ違いが産まれる。

「知らないこと」は多くの誤解を産むものだから、
まずはお互いに相手をよく知ることから始めたい。

私のメインの活動場所はインターネットなので、
昨今の殺伐としたタイムラインに思いを馳せながら
見てしまいましたが…

すごく良いドラマでした。

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