やれること全部やってから死になさいよ
「パーフェクトワールド」というドラマが、すごく良かったのです。
▼アマゾンプライム会員だと無料
▼公式サイト
(以下ネタバレを含みます)
このドラマは事故により下半身不随・車椅子生活になった
松坂桃李さん(役名:鮎川樹)が
12年ぶりに再会した山本美月さん(役名:川奈つぐみ)と
恋に落ちる話なのだけど、
登場人物が、全員いい人なんですよ…!!!!
いい人ばかりで、
(むしろ、つぐみを想い続ける幼なじみの
瀬戸康史さん(役名:是枝洋貴)とか
いい人すぎて、「こんな人、いる!?」って感じ…)
誰一人として悪意無く、
相手の幸せを思っているにも関わらず、
それぞれの価値観・正義がぶつかるんですよね。
結果、主人公たちがすれ違いまくる。
誰も悪くないのに、
うまくいかないシチュエーションが切なくて、
毎エピソード、涙腺がゆるんでしまう。
後半、主人公たちが本当の幸せ・理想に気づき、
自分の気持ちに素直になっても、
そこでもまた、周囲の人の理解が得られず、
結局、どう生きても難しいんだ…ということにも
気付かされます。
制作陣が意図したであろうドラマの見どころの一つとして、
下半身不随の人が抱える不便さもふんだんに織り込まれていて、
「こういう苦しさがあるんだ…」と勉強になります。
褥瘡(じょくそう)、幻肢痛(げんしつう)、
排泄コントロール、尿毒症(にょうどくしょう)などなど。
人生のどこかで、そういう不便があるという知識は
仕入れていて、言葉としては知っているけれど、
深刻さを具体的には知らない言葉を
シチュエーションこみでインプットし直せました。
(プラス、名前のつかない、日常の不便さあれこれ)
もう全編学びと良いセリフだらけで
毎回ノート片手に教材を見るような勢いで見ていたんですけど、
特に印象に残っているシーンが2つあって、
1つめは、松坂桃李さんが障害を背負ってしまい、
もう自分なんかに生きている価値はないと絶望し、
自殺しようとするけれど、
自殺さえ自分の意志ではできないというシーン。
ここで、看護師の中村ゆりさん(役名:長沢葵)が言う
「どうせ死ぬなら、
やれること全部やってから死になさいよ!」
というセリフが心に染みました。
私も消えたい気持ちになることがあるけれど
「ここで終わるくらいなら、
どうせならこの命を捨てたと思って燃やしつくそう」
という気持ちで生きています…。
私なんて、身から出た錆も多いし、
もっと理不尽なことで戦っている人と
比べてはいけないかもしれないけれど、
この言葉には勇気をもらいましたね…。
==
それからもう1つは、松坂桃李さんが山本美月さんの
お父さんに初めて会うシーン。
運転していた車から降りてこない
松坂桃李さんのことを、松坂さんが
障害を持っていることを知らないお父さんは
「車から降りて挨拶しないなんて
失礼な若者だ」と思うんですよね。
でも、実際は下半身が動かないから
車から降りるのも一苦労で、
降りないわけではなく、降りられなかったと。
このシーン
「相手には、自分からは見えていない事情がある」
と気付かされます。
その事情を知っていれば、
その人のことを嫌いにならずにすんだのに、
知らないから、すれ違いが産まれる。
「知らないこと」は多くの誤解を産むものだから、
まずはお互いに相手をよく知ることから始めたい。
私のメインの活動場所はインターネットなので、
昨今の殺伐としたタイムラインに思いを馳せながら
見てしまいましたが…
すごく良いドラマでした。
記事が気に入ったら、シェアやいいねをしてもらえると嬉しいです。