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何かと出会うために、出会う人のこと

誰かが何気なく言った言葉が
心を捉えて、離さないことがある。

そんな、日常の中で発掘した
一生ものの言葉だけを集めた本を数年前に書いた。

▼普通っぽいのになぜか心に響いて離れない恋と仕事51の名言

こういった「心に響いて離れない」言葉は、
その場で「いい!」と思ってメモする時もあれば、
その場では「なるほどね」と軽く受け流したのに
あとになってじわじわ来るパターンがある。

じわじわ系の言葉で、
気に入ってるものの一つが友人の

「私、春香に出会うために
あの人と付き合ったんだと思う」という言葉。

その友人とは、彼女の元カレの紹介で出会った。
彼と彼女が別れた後も我々は長年、
友情を温め続けている。

私にも、いくつか
「この人との出会いは
アレと出会うためだったんだろうな…」
と思うような出会いがある。

昨日、インスタの思い出リマインド機能が、
3年前の投稿を表示した。

それは、初めてミニ財布を持った日の写真だった。

当時の私は、友人が持っているミニ財布が気になりつつも
長年長財布派だったため、使いこなせる自信が無く
買う決心を持てなかった。

けれど、旅先の青森のバーで隣になった女性が
友人と同じミニ財布を持っていて
「財布小さいと、身軽になるよ」
と言ったのが、かっこよすぎて、

「身軽な女になるぅうう!!」と
その言葉に背中を押して貰う形で、
安くはないミニ財布をポチッと買えた。

財布が小さくなると、バッグが軽くなるし、きっぱりとした女に見えて(←思い込みだけどね!)いいことづくめだった。

育児を開始した私は、息子と自分、2人分のカードを持ち歩くために
また長財布に戻したけれど、

あの出会いのおかげで、人生の中で
「ミニ財布を持つ」経験が出来たと思っている。

その方とは、二度と会うことはないだろうけど、
私の人生にとって意味を持つ出会いだった。

ところで、財布の写真を眺めていたら、
諸々が唐突に蘇ってきた。

あの時、一時的に、彼氏(今の旦那)と
別れていて、東京と空っぽの時間から逃げるために
狂ったように旅行していたことや、

とはいえ一人旅は、失恋した身につらすぎるので、
各地の友人を訪ねまくり、ついには、
友人の青森帰省に飛び込み参加したこと(←人の帰省に飛び込むなよ…)

その時、彼の地元の友達が観光地を車で案内してくれたこと、
「味噌カレー牛乳ラーメン」なるものを食べたこと、
車内で聞いた、二人の野球部時代のエピソード、
青森の方言が愛おしく、方言を自在に操る彼らが羨ましくて、
まだ始めたばかりのVoicyで喋ってもらったこと、
彼らの母校で職員室を見せてもらったこと、
マイナス11度の八甲田山で樹氷を見たこと、
ずっと食べてみたかった「うちわ餅」が食べられたこと、
道路脇に身長の2倍の高さの雪が積もっていたこと…。

そういえば、青森を一緒に旅した彼らは
二人共、当時住んでいた県から別の土地へ引っ越した。

私は別れた人とヨリを戻して、その数カ月後に
事実婚をして、今は1歳の息子の育児に追われる日々。

…そういえば、青森旅行の2人とは連絡取ってないなぁ。

でも、3年って、そういう月日だ。

いつかの夜には深いところで分かりあえた友人と、
些細なことで音信不通にもなるし、

一度しか会わなくても強い印象を持つこともあるし、

「経由地点」のように、何かに出会わせてもらうために
出会う人もいる。

関係のグラデーションは様々だけど、
どんな出会いも無駄にはならない。

その時その瞬間はその出会いの意味に気づけなくても

後から振り返れば
「あの出会いって、こういう意味があったんだなぁ…」
と分かる。

それは年を重ねることの醍醐味の一つかもしれない。


(…なんてまとめてみたけど、無駄な出会いってそもそも覚えてないのかもしれない。我々は知らず知らずのうちに記憶を編集しディリートしまくって、必要なものだけ、残すんでしょうね、それが人生。)

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私が失恋した時に心の支えにした言葉

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