仲間に「いれてもらっている」側の人生
今もそういうものがあるのかどうかわからないけど、私が小学生や中学生だった頃の文集のクラスページには、「○○な人ランキング」という名のお決まりコンテンツがあった。
それは、見る人が見ればクラスの序列がわかるようになっていて、
「お金持ちになりそうな人」や「有名になりそうな人」には、たいてい人気者でクラスの中心人物である子たちの名前が入った。
全員の名前がまんべんなく出るように、巧妙に設計されつつも人気のある子は何度もいろんなランキングに名前が登場して、
逆に、影の薄い子は、「親切な人」や「長生きしそうな人」という無難なランキングか、無理やりつくったような訳のわからないランキングに集められ、名前が出る回数も少ない。
本当に入りたいランキングには名前が載ることはなく、けなされているわけではないのに、見る度に心をえぐられ、不名誉に感じた。
あのランキングは、いろんなものを象徴していたように感じる。
そういえば、小学校2年だか3年だかの時にクラスの男子が「美人な女子ランキング」を作っていたことがあった。
今考えると、なんでそんな風に序列をつけられなければならないのか意味がわからないのだけど、
当時の私は、どうかそこに名前を入れてもらえますようにと切実に願い、名前が入るならどんなことでもします、という気持ちになっていた。
夜に学校に侵入して投票箱の中身を全部入れ替えてやろうかとすら
思った。それほどまでに、そのランキングに入ることは私の中で重要だった。
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