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『ノマドランド』を鑑賞して。

やっと観ることができた。ずっと観たかった。

私は好きだなあ、自分に合っている映画だなと

思った。


まず、働くってなんのためにするんだろうと思

った。当たり前のようにみんな仕事はするけれ

ど、大抵の人が人生の時間の大半を使ってい

る。生きるためにはお金が必要で、お金を稼ぐ

には働くしかない。

仕事が大好きな人もいれば、大嫌いな人もい

る。目標があれば、そこへ向かって嫌なことも

頑張れたりするけれど、自分のやりたいことが

見つからないという人は現代にたくさんいるん

じゃないか。私の幸せとはなんだろうか。目標

を見つけて達成することだろうか。



なんで私は生きてるんだろうと、ときどき不思

議に思うことがある。

そういうことを考えてる人は現代にたくさんい

るのではないかと、漠然と映画を観ていて感じ

た。



美しいアメリカの自然の風景と、移り住む主人

公の切ない表情に心が打たれた。

終始ストーリーは静かに進んで行き、起承転結

の起伏もあまりない。

1人の女性の心の移ろいが描かれていた。

周りの人たちとの出会いやコミュニケーション

も大切で繋がってゆくけれど、自分一人の時間

も同じように大切にしたいと感じた。


自分のことは周りが決めることじゃない。自分

が好きなことや、やりたいことを貫く強さを持

ちたい。



ウィリアム・シェイクスピアの『ソネット18』

は本当に美しい詩だと思う。一番好きな詩が登

場して、改めて素敵だと思った。

ソネット第18番

ウィリアム・シェイクスピア
戸所 宏之 訳

君を夏の日にたとえようか。
いや、君の方がずっと美しく、おだやかだ。
荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめるし、
なりよりも夏はあまりにあっけなく去っていく。
時に天なる瞳はあまりに暑く輝き、
かと思うとその黄金の顔はしばしば曇る。
どんなに美しいものもいつかその美をはぎ取られるのが宿命、
偶然によるか、自然の摂理によるかの違いはあっても。
でも、君の永遠の夏を色あせたりはさせない、
もちろん君の美しさはいつまでも君のものだ、
まして死神に君がその影の中でさまよっているなんて自慢話をさせてたまるか、
永遠の詩の中で君は時そのものへと熟しているのだから。
ひとが息をし、目がものを見るかぎり、
この詩は生き、君にいのちを与えつづける。



The Sonnets no.18
                William Shakespeare 

Shall I compare thee to a summer's day? 
Thou art more lovely and more temperate: 
Rough winds do shake the darling buds of May, 
And summer's lease hath all too short a date: 
Sometime too hot the eye of heaven shines, 
And often is his gold complexion dimmed, 
And every fair from fair sometime declines, 
By chance, or nature's changing course untrimmed: 
But thy eternal summer shall not fade, 
Nor lose possession of that fair thou ow'st, 
Nor shall death brag thou wand'rest in his shade, 
When in eternal lines to time thou grow'st, 
So long as men can breathe or eyes can see, 
So long lives this, and this gives life to thee

出典:ソネット第18番
ウィリアム・シェイクスピア


でもアメリカ!という感じがした。日本は高齢

化社会で政治も年金や介護にお金を費やしてい

るから、国としては高齢者の方への補助は若者

に対してより手厚いと思う。


アラスカへ旅してみたいなあ、と思った。

(映画とは関係ないが、最近、星野道夫さんと

いう人がいたことを知った。

きっかけは中田敦彦さんのYou Tube大学

で、奥さんの福田萌さんが好きな本だと言って

いたので、気になって読んでみようと思ったの

だ。でもそれはまた別の機会に書こうと思う。)




豊かな人生ってなんだろうと思うけど、人それ

ぞれなんだろうな。私は旅をして、地球の美し

い風景を観て、動物と触れ合い、たくさんの人

と出会ってみたい。


人類の原点の狩猟生活に戻る。獲物を追い定住

せず移動しながら生活していた人々のように、

仕事を転々としながら移り住んでゆく人々は、

現代的でありながら起原を感じた。


「ファンタジー色が強い、綺麗に描きすぎて

る」

「反対に現実的な排泄シーンが多く感じた」

「恵まれた一部の人の生活で、実際にはもっと

危険だし、困窮した人はもっと悲惨な生活だ」

というような意見を見て、なるほどなと、自分

もそう思うなというところがあった。

ノマドランド

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