カミングアウト ~亜人~
実写映画化もされた人気作品『亜人』
17年前アフリカの戦場で死ぬことのない新生物
「亜人」が発見される
亜人は人間と同じ見た目だが、死ぬと即座に生き返るという特殊能力を持つ新人類である
主人公、永井圭はある日交通事故に遭うが生き返り自らが亜人であることが判明する
それから永井は危険な生物とみなされ皆に追われ続けた
捕まれば非人道的な人体実験が行われる
亜人と判明した時点で世界から敵とみなされ
研究の対象になればもはや人間ではなく、ネズミと変わらない扱いを受ける
見た目も心も人間のまま
ただ少し普通の人間と"違う"というだけで
排除の対象となってしまうのが人間の社会である
もし現実で亜人のようなものが発見されれば
この作中と同じような扱いを受けるだろう
永井が交通事故に遭って一度死んだことは
偶然ではあるが世の中へのカミングアウトである
このカミングアウトを現実世界に置き換えると
例えば今はまだ性的マイノリティと呼ばれるような人が、自分がマイノリティであることを誰かに初めて伝える時である
亜人は実はそこそこの数はいて、彼らは社会に自分が亜人であることを隠しながら人間として暮らしている
それはカミングアウトをすれば差別を受けるからである
まさに現実世界でも同じことが起きている
先程例に挙げた性的マイノリティの人について
ある研究では全人口約10%が性的マイノリティである。その内8割以上がカミングアウトをしていない
カミングアウトをすればその時から周りの人との関係性や自分の見られ方が少なからず変わるかもしれないからだと思う
世の中ではジェンダーの例だけでなく
カミングアウト出来ずに生きにくさを感じている人が多くいるはずだ
なぜ人が亜人を恐れ酷い対応をするのか?
それは亜人についてよく知らないからである
自分と違う存在が自分と同等かそれ以上の立場であるのが怖いからである
他の様々な動物に対して差別という感情を抱かないのは明らかに自分より下の立場であるからだと思う
でも自分と見た目はなんら変わらない亜人やマイノリティはそうではない
自分の地位が、立場が脅かされるのを恐れている
差別は常にする側の理不尽な理由によってのみ起こされるものだ
常に自分が上の立場にいたいと願う人間の弱さによるよるものだ
どんな人であってもそれは一つの個性に過ぎない
どんな個性であってもそれは差別の根拠にはならない
全ての人がどんな相手でも尊重し話を聞いて理解をできる強さを身につける必要がある
それがカミングアウトしやすい世の中を導き
そしてカミングアウトという概念すらない
全ての個性が普通の世の中になると思う
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