やりたいことがみつからない?
「いろんなとこに行って、経験しなさい。家と学校の往復じゃ、何も得られない。」
そんなことを高校一年のときに、先生に言われたことがある。
たぶん、なんでもない日の授業の脱線話。
そんなに暇じゃねえよとか思いながら、聞き流していた。
公立高校普通科、下でも上でもないような学校。
やりたいことなんてなかった。誰もそんなもの持ってなかった。
そもそも、どこでそんなものが見つかるのかも知らなかったし、それが普通だと思ってた。
だけど、大学に入学したあと嫌になるほど思い知らされた。
自分の「好き」に夢中になれる人がこんなにもいるなんて思いもしなかった。
自分が3年間を学校と家の往復で過ごし、コロナでどこにも行けねえなんてぼやいてときに、他の奴らは留学に行き、趣味を極め、起業をし、やりたいことをやっていた。
プログラミングに打ち込んでたやつ、コーヒーが大好きでコーヒースタンドをつくるやつ、カメラの腕を磨いていたやつ、起業を重ねてきたやつ。
そして、自分のやりたいことを明言するやつ。
自分だけ灰色の世界から来て、他は自分の色で満ちた世界からやってきたみたいだなってホントに思った。
俺にはこれだ!って言えるものが何にもなかった。
こんなふうに書くと今までの人生を悔いてきたみたいにきこえるけど、そんなことはあんまり思ってない。
それなりに意味があって、充実した人生だと思うし、ずっと大事にしたいと思える繋がりもたくさん得た。
だからこそ、自分は夢中になれるものを持っていない分、イベント行ったり、面白そうな先輩の話を聴いたり、違う言語学んでみたり、とにかくいろんなものを吸収しようと決めた。
キックボクシングをはじめ、バイトをはじめ、中国語を学びはじめ、何かイベントがあれば行き、田舎に行って、全然世代の違う人と話したり、狩猟の見学に行ったり、畑を耕したり、とにかくいろんなことを始めて、やめた。
「やめた」っていうのは、決して後ろ向きな決断じゃなくて、経験の通過点として捉えたからこその前向きな決断。もちろん、今も続けていることもあるし、今は行動はしていなくてもいつかもう一度しようと思っていることもある。
いろいろやって、そして気が付いた。
「いろんなとこに行って、経験しなきゃだめなんだ。家と学校の往復じゃ、何も得られない。」
先生の言っていた意味にようやっとたどり着けた。
マジかよって思うくらい時間がかかったし、なんならこんなこと言われたことも覚えていなかった。
でも、自分のやりたいことってこれだなって思ったときに、「やりたいこと」は積み重ねた経験の中からしか生まれないのだと知り、あの言葉が脳裏にフラッシュバックした。
だから、俺は言いたい。
実際、今振り返ってみれば中学、高校のときに友達とだらだら話していたことは、こんなことできたら良くね?みたいなものばっかりだった。
どんだけ俺は頭の中で終わらせてきたんだって笑えたけど。
そのときは、たぶん勉強とか部活とか大切でくだらないことで頭がいっぱいいっぱいだったんだと思う。
でもちょっと違う場所に、ちょっと遠い場所に行くことぐらいすればよかったなとも思う。
でもいつだって大事なのはこれからに限る! Right??
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