月見里のぞむ

小売業で働いていた経験を活かし食や流通関連の事業者様の支援を主な仕事としています。20…

月見里のぞむ

小売業で働いていた経験を活かし食や流通関連の事業者様の支援を主な仕事としています。2023年4月~KUA通信文芸コースで「書くこと」「表現すること」を学んでいます。ここでは学びの中で気づいたこと等を忘れないように書き留めていきたいと思っています。

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最近の記事

文芸実践会「俳句」の備忘録

第9回目の文芸実践会は「俳句」だったのですが、実は初めて作りました。もしかしたら小学校とかで作ったのかも知れませんが…… 今回のテーマは「夏の季語で俳句を3句つくる」というものだったので、3句つくって持ちよりました。当日は全体の中から好きな句を3つ(特1、並2)選ぶ流れでしたが、自分の句の意図などを説明する時間はなかったので、自分の備忘録として書き残しておきます。 次に俳句をつくるとき「何を考えていたのか」思い出せるように。 1句目「笛の音や子らの背に咲く水うちわ」

    • エッセイ「甘くて苦い記憶」

      「ジン・トニックお願いします……」  気が付くとまた同じお酒を注文している。  僕はあまりアルコールを飲まないのだが、時々、無性に飲みたくなるのだ。極めてありきたりな定番のカクテルだが、僕にとっては特別なお酒で、飲むと懐かしく切ない気持ちになる。  大学四年の時、地元企業への就職が決まった僕は、東京にある父親の実家に一週間ほど泊まりに行った。その時、叔父と一緒に商店街の路地裏にあるショットバーで飲んだのがジン・トニックだった。  薄暗い店内で天井から吊り下がったグラス型のラ

      • 写真論1レポート「モノに執着している写真家である土門拳と植田正治の作品を比較しての考察」

        ①選定した作品の共通点と相違点  テキストを通読して関心を持ったテーマとして「モノ」を選び、「モノ」に執着している写真家として土門拳と植田正治の2人を取り上げる。  土門拳はテキストにもあるように、被写体から背景に至るまでフレームの隅々までピントを合わせて「そこにあるモノ」全てを捉えている作風が特徴である。そこには演出の無いリアリズムがあり、モノの持つ確かな存在感に圧倒される。一方で植田正治については徹底した演出写真で知られ、モノの配置に徹底的にこだわりフレーム内に意図的に

        • 釣りエッセイ「糸の先にあるもの」

           今、わたしは渓流で釣りを始めようとしている。空は雲が少ない穏やかな春空。太陽がまだ高くまで昇っていない朝8時過ぎの空気は少しひんやりとして身が引き締まる。川特有の草や土がまじりあったような湿った匂いの中、足元の川原には白黒混在した石の群れがゴロゴロと転がり、10メートルほど先にはやや激しい川の流れがある。  川は左から右へと流れ、川原と流れの境目には険峻な山のように複雑な形をした軽自動車ほどの大きさがある黒い岩があり、その下流側には普通車2台分ほどの広さの砂浜が広がってい

        文芸実践会「俳句」の備忘録

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        • 通信大学 文芸コースでのレポート公開
          13本
        • 通信大学での学びの記録
          6本
        • 私の志集
          7本

        記事

          釣りエッセイ「春を告げる道」

          「この道は誰にも知られてはならない」  ここ数年、そんなことを思いながら4月1日に必ず歩く道がある。今年も濃いサングラスをかけてネイビーブルーの帽子を被り、人に見つからないようにこっそりと、高速道路の高架の影に車を停めてその道へと向かう。  時間は早朝の6時半ごろ。薄曇りの空が地上まで降りてきたような霧の中、両手いっぱいに荷物を持ち、膝まであるオリーブ色の長靴、風景に溶け込める緑色のジャンパー、カーキ色のズボンを身にまとい、白い息を吐きながら畑の横を流れる川沿いの土手道へ

          釣りエッセイ「春を告げる道」

          京都のプライドを感じた水路を巡る旅

           文章をもっと学びたい。その思いを実現するため春から通信大学で文芸を学んでいるが、元から旅行好きで歴史好きなこともあり「トラベルライティング」の講義を受講することにした。旅先の感動や出会いを綴る手法を学ぶことは、色々な地域に出向いて企業や人を支援している自分の仕事にも役立ちそうな気がしたのも受講の理由だ。  小旅行の舞台は京都市東山区の蹴上。広島在住の自分が知らない町、知るはずの無かった町。だからこそ新しい出会いや体験を期待して蹴上駅へ降り立った。  街中でも自然の香りがす

          京都のプライドを感じた水路を巡る旅

          通信大学~新年度スタート

          ■はじめに 新年度がスタートしました。 昨年は右も左もわからないままのスタートで不安だらけで履修を始めたのですが、今年は慣れてきて不安が少ない状態でのスタートになりました。 しかしながら、なかなかうまく行かないこともあり、調整しながらのスタートになりました。 ■4月の履修について 4月については「文芸演習1:対象を観察して書く」「日本の生活文化」の2科目を受講する計画で考えていましたが、最終的に1科目になりました。 要因としては、年度末から年度初めで急な仕事の依頼が入って

          通信大学~新年度スタート

          通信大学~1年目を終えて

          ■はじめに 桜の咲く季節となり、通信大学に入学してから最初の1年間が終わります。 入学したばかりの頃はどうなることかと思っていましたが、春夏秋冬と計画を立てて受講していくことで最終的には21科目で29単位を取ることができました。1科目ずつコツコツとこなしていくことは大切だと再認識しました。 同じタイミングで3年次編入したご学友の方々の中には、仕事をしながらも40単位以上を取っている方もいて感心するばかりです。 ■焦る気持ちもありました 私の場合、3年間での卒業を目指し

          通信大学~1年目を終えて

          短編小説「螺旋がつなぐ絆」

           前日までの雨で南国の森の中のように湿気が多い梅雨の夜。  古い木造建築を思い出すような白檀の香りの煙が漂う中、あまり親しくない人達と集まって酒を酌み交している。  こんなに気まずい雰囲気で酒を飲む機会はなかなかないよな…と思いながら、下敷きのように硬いスルメをかじりつつ、ビールが満たされて汗をかいた冷たいグラスを口へと運ぶ。  今日は父の通夜、といっても妻の父の通夜である。  四国の海沿いの田舎町にある妻の実家に親族や父の友人が集まり、僧侶による我慢比べのような長い読経

          短編小説「螺旋がつなぐ絆」

          小説「釣り人の悪事」のプロット公開

           KUA文芸コースの有志メンバーで開催されている「文芸実践会」の4回目は小説でして、起承転結の「起」の部分だけ書いて提出しました。    テーマは「悔しいことがあった日の帰り道」でした。  私は小説を書いたのは1月に書いた学校のレポートが初めてなこともあり不慣れ。プロットを作ってなんとか「起」の部分を書きましたが、文字数制限の1000文字を軽くオーバー。しかたなく、冒頭部分を大幅に削って提出してしまいました。その他、全体的に文字を削ってしまったため元の原型はわからなくなって

          小説「釣り人の悪事」のプロット公開

          遊佐未森さん35周年コンサート東京公演

          少し前の話になりますが、2023年11月23日に東京の大手町三井ホールで開催された遊佐未森さんの35周年コンサートに行ってきました。 先日、35周年ツアーの千秋楽となる仙台公演が終わったので、備忘録として東京公演の感想を少しだけ書きたいと思います。 東京公演のセットリストは以下の通りになります。なお、右に「泣いた」と書いてあるのが泣いてしまった曲になります(^_^;) ①風が走る道 ②森とさかな ③Run in the Rain ④星屑の停留所 ⑤地図をください ⑥春の

          遊佐未森さん35周年コンサート東京公演

          通信大学~第3四半期を終えて

          通信大学に入学して10~12月の第3四半期が過ぎました。 秋になり、受講する科目が増えてきて仕事との両立が難しいな、と思いつつも勢いでなんとか乗り切ることができました。 過去の記録を見ると第3四半期(秋季)は7科目受講していました。 内訳としてはテキストベースで受講する科目1科目、オンラインのスクーリング3科目、京都に登校してのスクーリングが3科目の計7科目になります。月に2科目+αの受講になるので秋季の学習はかなりタイトになりました。 こんなに何度も京都に通うことは

          通信大学~第3四半期を終えて

          わたしが体験してほしい広島のまち

           私が住む広島市は原爆が投下されたことから世界的な知名度が高く、原爆ドームや平和公園といった平和のシンボルが各所に点在する平和の象徴的な場所として知られる。  外国人による日本の都市の知名度としては「東京」「京都」に並ぶほど高いと言われるが、日本最大の都市で政治と経済の中心地である東京、世界に誇る日本の伝統文化が残る京都と比べると広島市は大きく見劣りし、「平和の象徴」という知名度だけで他には何もないのが実状だ。 「広島は都会とも田舎とも呼べない中途半端なまちで面白さに欠け

          わたしが体験してほしい広島のまち

           釣りエッセイ「魚とのフェアな戦い」

          餌でだまし討ちする魚釣りはフェアな戦いとは言えないのではないか?   いつか魚とフェアに戦いたい。長年、魚釣りをしながら抱いていた思いだ。  その思いを実現するため、今年の夏は以前から興味のあった鮎釣りに挑戦する。 一般的な魚釣りは釣り針に餌を付けて魚に喰わせて釣り上げる方法をもちいるが、鮎釣りは餌を使わない「友釣り」を行う。 友釣りとはなわばり意識の強い鮎の習性を利用する釣りで、竿から伸びた釣り糸の先に事前に用意した生きた鮎を取り付け、リードを付けた犬の散歩のように

           釣りエッセイ「魚とのフェアな戦い」

          通信大学~第2四半期を終えて

          通信大学に入学して7~9月の第2四半期が過ぎました。 入ったばかりで様子がわからなかった4~6月の第1四半期からは少し慣れてました。 第1四半期(春季)は5科目受講しましたが、第2四半期(夏季)は4科目の受講となりました。タイミングの問題もありますが1科目少なくなりました。 内訳としてはテキストベースで受講する科目1科目、オンラインのスクーリング1科目、登校してのスクーリングが2科目の計4科目になります。春と秋を合わせて9科目11単位を受講しました。年間で26単位を計画

          通信大学~第2四半期を終えて

          釣りエッセイ「わたしの心を揺さぶる解禁日の川」

           遠慮がちな春先の暖かい日差しに冷たい川の水。釣り糸から釣竿をブルブルと伝わってくる生命の手ごたえ。水面から跳ね上がる銀色の魚。ランディングネットで掬いあげた魚の確かな重み。思わず笑みがこぼれる。  ―― わたしは渓流釣り解禁日の川が大好きだ。    実は若い頃から渓流釣りを楽しんでいたのだが、仕事や家庭が忙しくなりしばらく川から遠ざかっていた。ところが昨年、五十路を迎えたのをきっかけに渓流釣りを20年ぶりに再開した。  子供が高校生になり家庭が落ち着いたこと、勤め先か

          釣りエッセイ「わたしの心を揺さぶる解禁日の川」