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「覚悟」とは選択肢を捨てること

覚悟を決めるとは、一方の選択肢を永久に捨てることを意味します。

挑戦するのを諦める。逃げる。やめる。私はある時を境に、これらの選択肢はすべて捨てました。

どんなに苦しくても、事業を絶対成功させる。上場する。挑戦し続ける。できるかできないか。やるかやらないかの選択肢はなく、「やる」の一択です。選択肢が一択になり、その行動が伴ったときが、本当に覚悟を決めた状態だと考えます。

覚悟のある人は、覚悟のない人を見透かす

2015年、私はある起業家の言葉がきっかけで、覚悟を決めることができました。

その起業家は、某スタートアップ企業を経営されています。当時、アプリを開発してくれるエンジニアチームを探されており、色んなエンジニアに声をかけていました。

アングラーズもテック企業だったことから「この機会に一緒にやりませんか?」と、あるとき合弁話を持ち掛けられました。

数値もまだまだの段階で、記録アプリとしてどのようにマネタイズするのか。見通しが立たず、苦労していたときではありましたが、まだ可能性があると思っていたので、お誘いを丁重にお断りしました。

すると、その起業家から

「それってしんどくないですか?うちは今やってることに対して腹括っています。でもアングラーズ(の人たち)はそれが見えないんですよね。」

と、思わぬ言葉を言われました。

あまりにも唐突にその言葉を言われ、虚をつかれた驚きと同時に、「確かにおれ腹括れてないぞ」とハッと気づかされました。さらには、「そもそも今全力を出せているのか?」という自分に対しての疑問が湧いてきました。

当時は、まだ腹を括るどころか全力も出せていない。それをその人は見透かしていたんですね。だから、そんな状態なら自分の事業を手伝ってほしいと、誘ってきたのです。

事業が上手く進んでいない以前に、前提条件のその覚悟の差を、ガツンと突きつけられた瞬間でした。

その起業家と比べて、全力を出せていないことが情けない。悔しい。そんな気持ちが込み上げてきました。全力でやれていないのに諦めるのか?このままで本当に良いのか?と自問自答し、そこから全力で事業と向き合い始めました。

その当時の自分たちの状況。そして覚悟を決めた起業家からの問いかけ。この二つがなければ、あの感情が湧き上がることは無かったと思います。

第二のスイッチ

第二のスイッチは、最初の資金調達をするかどうかを考えたときです。初めて資金調達をする際に、出資してもらうからには、もう絶対上場するという覚悟を決めました。

世の中に価値貢献して上場しよう。信頼・期待しくれた株主にイグジットで恩返ししよう。目指す道が明確になりました。そこから、仮にもし自分一人になったとしても、突き進むと腹を括っています。

「やらない」の選択肢はその日から捨てました。

元々突き進むタイプでしたが、さらにそこが強化され、今では覚悟が私の最大の武器となりました。覚悟さえあれば、他のあらゆる能力は勝手に身につくと思っています(実際にそうでした)。

どんな人でも、覚悟するまでは少し時間が要るのかもしれませんが、実際に覚悟を決めると、とてもシンプルで生きやすくなります。

どの山に登るのかを明確にすると、あとはそのための行動をとるだけなので、自分のエネルギーを集中することができます。

これは結婚にも言える

人生の覚悟の一つに、結婚があります。

パートナーを生涯愛し続けると決断するわけなので、これも他の選択肢を捨てる覚悟です。そして結婚後に起こる大きなことは、「他の異性を異性として見る」という選択肢がなくなることです。

例えば学生の頃など、パートナーがまだいないときは、周りにいる異性を異性として見るタイミングがあります。そこには、脳のエネルギーが一定数取られます。

しかし結婚後は、周りの異性を、異性として見なくなります(中にはそうでない方もいらっしゃいますが)。そうすると、今までそこに費やしていたエネルギーを別に向けることができます。

これは個人的にはとても楽で、シンプルな思考になります。

人は、あらゆる可能性と選択肢が存在する中で生まれますが、それが生きていく中で、選択肢をどんどん捨てていきます。どんな選択肢を捨て、引き算をしていくのか。もしかしたら、そこに人の個性が一番表現されるのかもしれません。

人の一生はあっという間

Google創業者のラリー・ペイジが、スティーブ・ジョブズに経営についてのアドバイスを求めた際、ジョブズが「やらないことを決める。それが経営だ。」とアドバイスしたことは非常に有名な話です。

忙しい経営者は、とくにこの辺りを考えることが多く、何を引き算するか。これでパフォーマンスが大きく変わります。

人の一生は長いようで、短いです。私は今38歳ですが、38年間を振り返るとあっという間です。でも10代の頃は、38歳の自分は想像できませんでした。もうかなり先の話で、遠い未来に感じていました。

でもいざなってみると、あっという間です。それと同じ歳月の20年後の58歳。今の年齢からすると、かなり先の未来で、まだまだ訪れない年齢のように感じます。

しかし、きっと58歳になった自分は「あっという間だった」と感じていると思います。自分の限られた時間をどのように使うか。成したいことを成すためには、選択肢を捨てる覚悟を決め、引き算していかなければなりません。

あのとき、覚悟を決めさせてくれた起業家に、心から感謝します。

 

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