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受け継がれるヴィンテージ食器

今まで全く気が付かなかったことに突然気付くことがある。
回りまわってこのタイミングになったのだろうか、いつも不思議に思う。

私は食べることが大好きでたまに手を抜きつつも料理も好き。
こんなお皿に乗せると素敵かな、と興味が湧いてからはいつしか食器もコツコツと集めるようになった。
特にヴィンテージ品やデッドストック品には目がない。

少し前、祖父の家でお茶を飲んでいた時のこと。
何気なくレモン柄のグラスの裏を見たら”DURALEX”と書いてあった。
「もしかして最近よく見かけるようになったあのフランスのガラスメーカーの?!本物?」
小さい頃からよくこれでジュースを飲んでいた馴染みのグラスだったのに全然知らなかった。
まさかそんな前から日本にあったの?と思い気になって母に尋ねると、どうやらこのコップは祖母が購入したもので、母の幼少期から既に自宅にあったようだ。
となると祖母は一体いつ購入したのだろうか。
平成生まれの私には昭和の時代にフランス製の輸入食器が出回っていたことにびっくり。冷静な家族を横目に「何だか凄いものを見つけてしまった気がする」と目をキランキランにさせ大興奮の私。
まさかこんな身近なところにヴィンテージDURALEXがあるとは。

後日、食器棚を見ているとカラフルな色のカップとソーサが目に入った。
もしや・・・と思い見てみると"DURALEX MADE IN FRANCE"と書いてあり、色違いで何個もセットがある上にデザート皿やブラウンのカップとソーサも出てきた。「えー!!!嘘でしょ!おばあちゃんこんなに買ってたの!」

すぐに調べたところOLD DURALEXと呼ばれ1950~60年頃に製造されていたものらしい。なんと今から約70年前のこと。
最近の食器はシンプルで淡い色合いが主流の様な気がするけれど、ぱっと目を引くカラフルな色合いにレトロな感じ。
この周りがひらひらしたお皿に苺のショートケーキを載せたら可愛いだろうな~とふわふわと妄想が広がった。

カラーデュラレックス

そういえばちょうど今放送されているNHKの朝ドラが1960年代の物語だったっけ。何てタイムリー。
テレビの中の映像ははっきりとした色使いのファッションがいっぱいで私の知らない時代があった。
ちょうどこの頃に作られてはるばる海を渡ってきたのだろうか。
今や輸入品はごく身近なものだが、この時代はまだ珍しいものだったのではないか。

ずっと祖父母の家にあったのに何故今まで気が付かなかったんだろう、と少し後悔。「昔どこで買ったの?」とか直接祖母からエピソードを聞いたり、
「今は色んなカフェで使われてるんだよ」と情報を共有したり出来たのに。
残念ながら叶わないので私が宝物として大切に大切に引き継いでいこうと思う。いや、勿体なくて使えないかも。

世代が変わりながら長い間同じものが使われていて、時間は繋がっていると心から感激した出来事。ものの付加価値と重みを感じながらこうやって受け継がれていくのだろうか。
新年早々こんな素敵なことに出会えて良いスタートを切れそうだ。

アンバー色のカップとソーサ

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