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【乙武洋匡の教育連載 vol.6】「黒髪強要」問題を生んだ“真犯人”を考える。

まもなく「黒髪強要」訴訟の判決が出ることになる。

詳しくはこちらの記事を参照してほしいが、要約すると、

・大阪府立高校に通う女子生徒が、頭髪を黒く染めるよう強要された。
・生徒の母親は、事前に地毛であることを学校側に伝えていた。
・学校側は「たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせる」と説明。
・生徒は仕方なく黒く染めたが、頭皮のかぶれなどの症状が出た。
・教師からは「染め方が足りない」など、さらなる染髪を要求された。
・「黒染めが足りない」と授業への出席停止や修学旅行などの参加禁止。
・生徒側は、「指導の名の下に行われたいじめだ」として大阪府を提訴。

というのが大まかな経緯となる。

2017年に報道された際には、「人権侵害も甚だしい」「生まれつきの髪色を変えさせるなんておかしい」などと批判が殺到。“尾木ママ”こと尾木直樹さんが批判の急先鋒に立ち、元大阪府知事でもある橋下徹さんは一定の理解を示すなど、さまざまな言論人が意見を戦わせたことも記憶に新しいところだ。

私自身は、集団生活において一定のルールは必要であると思うものの、生徒側の主張が事実ならば、学校側の対応は指導を逸脱したもので、到底看過できないものだと思っている。橋下さんの「荒れた学校で生徒の自由を認めれば秩序が失われる」「学校ではルールを守らせる教育も必要」という主張も理解できなくはないが、さすがに今回のケースは認められるものではない。

とはいえ、司法がどのような判断を下すのかはフタを開けてみなければわからない。そうした意味でも、どのような判決が出るのかは注意深く見守っていきたい。

また、今回の判決がどのようなものであったとしても、こうした事例はあくまで氷山の一角であり、行き過ぎたルール、いわゆる“ブラック校則”は枚挙にいとまがない。今後、こうした理不尽なルールを少しでも減らしていくには、なぜこうしたルールができたのか、なぜいまでも存続しているのかという点に目を向けていく必要がある。つまり、ブラック校則を生み出している“真犯人”を探し出す必要があるのだ。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.com/h_ototake/m/m9d2115c70116

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