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「透析中止」問題は、ピエール瀧さんで一掃されてしまった。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.mu/h_ototake/m/m9d2115c70116

ピエール瀧さん逮捕の報に触れて、私はひどく落胆した。彼自身に失望したというよりも、これでまた世間の報道が「瀧さん一色」になることについて暗澹たる気持ちになったのだ。他にもっと報道すべきことがあるのではないか、と。

人工透析治療を中止した腎臓病患者の女性が、透析中止から一週間後に死亡したことが報じられたのは、つい先週のことだ。

透析治療の中止を選んだ患者が死亡 担当医が提案か(産経新聞)
http://news.livedoor.com/article/detail/16122834/

この件に関しては、「患者の命を最後まで守ろうとするのが医師の務めではないか」という批判的な声もあれば、「患者の同意を得た上での判断なのだから病院が責められるべきではない」と理解を示す声もあった。どちらにも傾聴すべき点があり、一概にどちらが正解で、どちらが不正解であると論じられる問題ではない。だが、私はそのどちらとも異なる思いを抱いている。

この件について、メディアはどのように報じてきたのだろう。ひと通り目を通してみたが、やや恣意的に感じられるものも目についた。たとえば、これだ。

長男、母の再開意思を知らず「初孫抱かせたかった」(毎日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190312-00000002-mai-soci

母を失った長男の悲しみに寄り添った記事とも言えるが、今回の福生病院の対応が正当なものであったのか、それとも瑕疵があったのか、まさにこれから議論を深めていこうという時期に書かれた記事としては、あまりに扇情的であり、世論を特定方向に導きかねないものだと感じた。

誤解のないように書いておくが、私は福生病院の対応を擁護したくてこのような記事を書いているわけではない。私自身も、今回の件に関しては以下のような問題点を感じている。

・日本透析医学会が定めたガイドラインでは、患者が終末期を迎えているなど限定的な状況において治療中止を容認するとしているが、今回の福生病院のケースはそうしたガイドラインに沿うものではなかった。

・女性とその夫が病院に透析再開の意思を伝えたが、病院は即座に再開することはせず、女性は翌日に死亡した。

しかし、私が最も疑問に思っているのは、次の点である。

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