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リモートワークが進まない決定的要因。

またしても緊急事態宣言が延長された。これまで3回出された緊急事態宣言はすべて延長されたことになる。「ここまで頑張ろう」と歯を食いしばって走ってきた人々にとっては、ヘトヘトになったゴール直前で「あと3周」と言われるようなものだ。経済的な苦境が続くだけでなく、精神的にも“金属疲労”を起こしてしまわないか心配だ。

とはいえ、これまでより感染力が強いと言われる変異株の影響もあり、新規感染者数はなかなか減少していかない。ゴールデンウィーク中は自粛の効果もあってか、ある程度の人流を抑えることができていたが、ゴールデンウィーク明けはまた日常に逆戻りで、とても人流が抑えられているとは言えない状況だ。

なかでも混雑を見せているのが都心部の通勤電車で、「間引き運転」によりさらに混雑を招くという世紀の愚作もあり、ホームや車内は多くの乗客であふれかえった。ゴールデンウィーク中、多くの楽しみを奪われた人々にとっては、「あのときの我慢が水の泡じゃないか」とはらわたが煮えくり返る思いではないだろうか。

とは言え、いつまでもゴールデンウィークを続けるわけにはいかないので、私たちは「働く」ことを求められる。その上で人流を抑制するには、すでにリモートワークを推進せざるを得ない。これまでは「働く」=「オフィスに通勤する」だったが、オンライン@自宅勤務にすれば、通勤電車の利用客も減らせるはず……だった。

しかし、そのリモートワーク、そこまで進んでいないのが現状だ。政府や自治体は、繰り返し「出勤者7割削減」を求めているが、通勤電車の混み具合を見るかぎり、とてもその水準に達しているようには思えない。もちろん、エッセンシャルワーカーをはじめ、どうしても出勤せざるを得ない職種もあるだろう。しかし、そうした方々の存在を差し引いても、リモートワークが徹底されていない印象がある。

私の友人たちの状況を見てみると、大企業に勤務していてもリモートワークに切り替わっていない者が多い。「デスクワークが中心なはずのに、なぜ」と聞くと、「上司がリモートワークに積極的ではないから」「取引先とのミーティングはどうしても対面になる」といった答えが返ってきた。なるほど、物理的な問題というよりは、心理的抵抗が最も高いハードルとなってしまっているようだった。

こうした状況を踏まえ、どう出勤者を減らすことができるのか、とても難しい問題だろうとは思うが、私はそれでもリモートワークを推進させる秘策があると思っている。じつにシンプルで、予算もそこまでかからず、いますぐにでも実現可能なことだと思うのだが、私の知るかぎりでは、まだ誰も手をつけているようには見えない。

なぜ、誰もやらないのだろう。

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