拝啓、平沢勝栄様。
自民党・平沢勝栄議員の発言が話題となっています。
「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。でもこの人(LGBT)たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」
昨年の自民党・杉田水脈議員の「LGBTには生産性がない」発言を彷彿とさせるこの言葉には、
「LGBTを認めたところで同性愛者が増えるわけではない」「性的指向はみずからの意思で変えられるものではない」「そもそも少子化とLGBTの相関関係はない」
という批判もあれば、
「言っていることは間違っていない」「どうせまたマスコミの切り取りだろう」「ポリコレ棒を振り回すのもいい加減にしろ」
といった擁護する意見も。昨年同様、まったく議論が噛み合う様子はありません。
さて、私自身はというと、今回の平沢議員の発言に触れて、次のような感想を抱きました。
「国家って、何のために存在するんだっけ」
多くの識者や当事者が指摘している通り、おそらく平沢議員は誤解をされているのだと思います。性的指向とはみずからの意思で選択できるものではありません。だから、国策によってLGBTの方々の数が増えたり、減ったりすることもありません。
言い換えますね。つまり、国としてLGBTを容認したり、同性婚を認めたとしても、平沢議員が心配しているように「この国がLGBTばかりになる」なんてことはありえないのです。
もちろん、こうした不勉強な方に正しい知識を啓蒙していくことも重要なのですが、たまには違った角度から物事を見つめていくことも大切だと思うので、ここではあえて平沢議員の誤解に乗っかって思考を進めてみようと思います。
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