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金木犀の香りがした
昨日の夜、家に帰る途中で金木犀の香りがふわっと漂った。一緒にいた人と、秋になったね〜と話しながら帰った。
夏ほど青々とした草木の匂いはしないけど、冬ほど空気が澄んでいるわけでもない、その中間が今だなと思った。
私は秋が誕生日で、しかも早朝に産まれたらしい。
子どもの頃は大人になっていくことが嬉しくて、誕生日は自分のためのスペシャルデーだった。
大人になってからの誕生日は、なんでも好きなものを買っていいし、好きなものを食べていい贅沢スペシャルデーとともに、この季節に母がお腹を痛めて、父は仕事を休んで、姉は妹ができることを喜んでくれたのだと思うと、今日も何事もなく生きていることや、年齢を重ねることの意味が大事に思える。
今年からは、大事な友達が2人も結婚式を挙げた大切な月になるし、私も誕生日に加えてもうひとつ大切なことが重なることもあって、ますます10月が好きになった。
むかし、姉が京都に修学旅行へ行った際、お土産に金木犀の香りの練り香水を買ってきてくれた。
当時金木犀が咲かない街で暮らしていたので、その時は柔らかくて甘い良い香りだな〜と思っていた。
数年経ち、なんとなくこの辺いい匂いがする道だな〜と思っていたとき、それが金木犀であることを知って、この時期に咲いて、こんなに強く香るものなのかと驚いた。
秋の訪れと、家族のことと、友達のことと、好きな人のことで、あたたかい気持ちになれる。
室内にいるのが勿体無いくらいの秋晴れ。