【SDGs × 発達障害】事業開発ワークショップを企業様と実施中!ソフトバンク様と実施したアイデア発想WSをレポートします
LITALICO発達ナビ「ALLIANCE PROGRAM」では、発達の凸凹が気になるお子さまとそのご家族にとって使いやすい商品やサービスを新しく世の中に生み出そうと、企業様と共にチャレンジしています。
どうしたらもっとたくさんの企業様が「発達障害」というテーマに関心をもってくださるだろうか。障害のある方に向けた商品を生み出すことに、大きな意義と可能性を感じていただけるのだろうか、、
と考えた私たちは、
【SDGs × 発達障害 × 新規事業】
アイデア発想のためのワークショップ
を新しく作りました!
SDGsの17個の目標の中でも特に
目標4 質の高い教育をみんなに
目標8 働きがいも経済成長も
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
など、様々な目標達成にむけても、関心を集めている「障害」という課題。
この課題にしっかり向き合うことが、企業の使命であり、新しい事業の可能性にもなるのではないか。
そんな想いに賛同してくださり、ワークショップに参加してくださった第一号の企業様はソフトバンク株式会社様。
「情報革命で人々を幸せに」を経営理念におかれているソフトバンク株式会社様は、テクノロジーを通じたSDGsへの貢献に積極的に取り組んでいらっしゃいます。
本記事では、皆様にご参加いただいたワークショップの様子をレポートします。
どんな内容なのか、ぜひのぞいてみてください!
0.自己紹介
今回ワークショップに参加してくださったのは、個人向けに新規商品を開発している部署の皆様。技術やIoT、UX、スマートフォンサービスなど各分野を専門に企画を担当している9名の方々にお集まりいただきました。
日頃から”どういった人に何をとどけるか”を思考している社員のみなさん。「発達障害」という課題をミクロにとらえて、解決をする商品を生み出したいと考えてくださり、このワークショップに参加してくださいました。
1.発達障害ミニレクチャー
続いて、LITALICO発達ナビ企業アライアンスディレクターの河合道雄より、発達障害の特性についてのレクチャー。
「私たちLITALICOでは、障害を「個と環境の相互作用」ととらえています。」(河合)
発達の仕方や速度が定型発達の人と異なるものの、周りがその人を理解し、特性に応じた指導・支援をすることによって、その人が感じる障害(困難さ)は軽減されるというのが、発達障害の捉え方の基本です。
近年NHKが発達障害プロジェクトとして1年にわたり各番組にて取り上げるなどしたこともあり、子どもの発達だけでなく、「大人の発達障害」という言葉も広がり、社会的にも認知がされてきたこの発達障害。
実際にどんな場面でどんな困りごとを抱えることが多いのか、河合から、LITALICOでの現場の事例も交えながらお話いたしました。
社会性やコミュニケーションの困難さ、見通しがないと不安である、衝動性、過敏症など様々な特性と、それを解決しうるツールの例などをひとつひとつご紹介しながら、参加者の皆様に発達障害についての理解を深めていただきました。
2. 実際の商品開発事例をご紹介!by フェリシモ様
続いて、実際に発達障害の方が抱える日頃の困難を解消するために、「ポケットの中が見えるメッシュリュックインナー」などの”お出かけ応援グッズ”をLITALICOとともに開発してくださった、株式会社フェリシモ 生活雑貨事業部CCP推進グループの永冨様にオンラインでご登壇いただき、具体的な商品開発のステップや、リリース後の反響などについてお話いただきました。
発達障害の方のお困りごとを理解しても、「実際に商品開発する上でリスクがあるのでは?」「売り上げにつながるのか?」などの不安は商品開発者の方にとっては拭えないポイントだと思います。
今回はフェリシモ様の実体験に基づき、発達障害の深い課題に着目したことで、障害に限らず誰もが感じる潜在ニーズを発掘し、ユニバーサルな商品を作り上げたことで収益につながったという貴重なお話をしていただき、参加者の皆様熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
フェリシモ様との商品開発事例についてはこちら
→ https://h-navi-brand.jp/case/felissimo/
3. いよいよアイデア発想のワークショップを実践!
いよいよ、ここまでの話を元に、アイディア発想をするワークショップです。ワークショップの流れは以下の通り。(当日の様子を撮影した写真とともにご覧ください。)
(1) LITALICOが用意した「障害特性」と「生活場面」のカードを使い、どんな特性のある対象者が各場面で困りそうなことを各自でワークシートに記入
(2) (1)で挙げた困りごとを解決するためのアイデアをワークシートの隣の列に各自記入
(3) ここまでで各自が出した「生活場面」×「アイデア」を、ポストイットに記入し、着目した障害特性の項目ごとに模造紙に張り出し、一人一人コンセプトを説明
(4) 最後に、出たアイデアに対して、
「障害特性」×「生活場面」着眼点がおもしろい→赤
(実現可能性はさておき)アイデアがおもしろい→青
ソフトバンク社の技術を使い作ってみたい→黄
のシールを使って投票
今回のワークショップの中では視覚過敏やコミュニケーションの困難さといった特性がある人には「人ごみで人間の顔が野菜に見えるメガネ」、注意散漫になりがちな人には「注目ランプ」など、約40個のアイデアが共有されました。
それぞれのアイデアに対して、LITALICO社員もコメントをしながら、
「発達障害の方にとってこのアイデアは特に良さそう」「こういう事例も世の中にはある」などの意見を出し合いながら、実現可能性の高いアイデアイメージを膨らませていきました。
本ワークショップを導入いただいたソフトバンク社のお二人からご感想をいただきました。
「発達障害」というテーマでの企画検討は初めてであり、LITALICO様より講義いただき深い社会課題を知ることができたこと、様々な部署と横断的に議論できたこと、そしてフェリシモ様よりユニバーサルデザインの事例紹介で直接お話を伺えたことが、今後企画を進めていく中でも貴重な経験となりました。非常に良い機会をいただき、ありがとうございました。
(ソフトバンク株式会社 プロダクト本部 小山様)
障害は人ではなく、社会の側にある。という考え方が深く刺さりました。
SDGsは素晴らしい概念である一方で「未来」かつ「抽象的」なため、ともすると自分の「現在」の「具体的」な仕事への接続がしづらいもの。
今回のワークショップでは、具体的な困りごとやシーンを起点に考えたことで、参加者ひとりひとりが社会課題へのつながりを明確に意識するきっかけになったと感じています。
(ソフトバンク株式会社 SDGs推進室 日下部様)
今回、LITALICOとともに、「発達障害」というテーマについて考えてくださったソフトバンクの社員の皆様、ありがとうございました。
こちらのワークショップは、
・「目に見えない障害(発達障害)」というテーマについて理解を深めたい
・SDGsに関連して、事業アイデアを考えてみたい
といった企業の社員様とご一緒に実施しております。
こちらのワークショップにご興味いただける企業様、ぜひ一度お話させてください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
お問い合わせはこちらまで → h-navi-ad@litalico.co.jp
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