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「発達障害のある方と共に働くために」富士通様の障害者支援フォーラムにてお話いたしました


12月3日は国際障害者デー。毎年、各企業や団体で障害者に対する理解を深めるイベントなどが開催されています。

障害当事者への支援を行うLITALICOとして、企業様向けのセミナーを担わせていただくことも多いLITALICOですが、

今年2020年は、富士通株式会社様にて社員様向けに開催された障害者支援フォーラム中で、「発達障害への理解と職場 ~共に働くための実践的コミュニケーション~」というテーマでLITALICOワークスの佐藤がセミナー講演をさせていただきました。


1. 富士通様が「障害者支援フォーラム」を開催される理由

今回LITALICOに講演をご依頼いただきました、富士通株式会社ダイバーシティ推進室の宇谷様・遠藤様にお話を伺いました。

「富士通グループでは、国際障害者デーに合わせ、ダイバーシティ推進の背景や目的、富士通が目指す姿について理解すると共に、障害の有無に関わらず、自分と異なる価値観をもつ他者との相互理解を深め、誰もが活躍できる職場づくりについて一人一人が考える機会にするために、障害者支援フォーラムを毎年開催しています。LITALICOは、LITALICOワークスという就労移行支援事業で現場の実績があるだけでなく、LITALICO研究所での学術研究も両輪で取り組んでいて、その点でぜひお力を貸してほしいと思いご依頼致しました。」


2. LITALICO・佐藤による講演

コロナ禍で行われた今回のフォーラムはオンライン開催。LITALICO佐藤による講演は、富士通グループに所属する300名近くの社員様に視聴いただきました。

発達障害についてある程度知っている方も、聞いたことがあるが良く知らないという方も、様々いらっしゃったので、発達障害について理解していただくと同時に、”現場で使えるコミュニケーション方法”を持ち帰っていただけるよう、お話を致しました。

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講演内容は以下の通り。

●「障害」とは何か
 ・「疾病モデル」と「社会モデル」
●職場における多様性
 ・日本の職場における「普通」とは何か
 ・“能力の多様性” という考え方
 ・採用・育成における視点
●発達障害の種類
 ・各障害種別とその特徴
 ・発達障害を起因とした二次障害(精神障害)
●職場での困りごととその対策
 ・課題解決のためのプロセス
 ・特性のトリセツ
 ・合理的配慮とは
 ・職場におけるよくある困りごとと対策

LITALICOが大事にしている、「障害は人の側ではなく、社会の側にある」という考え方。

「例えば、私たちの中には体力がある人と体力があまり無くて疲れやすい人がいると思います。日本の雇用では社員は1日8時間勤務することが求められますので、1日8時間働く体力がない人にとっては困難を感じてしまいます。ただこれは果たしてこの人だけの問題なのでしょうか。職場側の仕組みが変われば、その人は障害を感じずに、自分のパフォーマンスを出せるのではないでしょうか。」

そんな佐藤の問いかけから、職場における「障害」の捉え方を受講者の皆様に考えていただきました。

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それから、私たちがよく使う「普通」という言葉に潜むバイアスや、時間や場所だけでない、”能力の多様性の包括”という視点の話から、職場における多様性のあり方について理解を深めていただきました。

そして講習の後半では、発達障害の障害種別ごとの特性や、職場のメンバーに発達障害の可能性を感じたとき、具体的にとるべき課題解決のプロセスや、”特性トリセツ”の作り方など、実際に現場で使っていただけるコミュニケーションの方法についてご紹介致しました。

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「私たちが”多様な状態”を目指す一番の目的、それは、これまでの常識を疑い、それを改善することで、新しい発想、イノベーションの種に気づくことで、社会をよりよく進化させることなのではないでしょうか」(佐藤)


講演を聞いた参加者からは、以下のような感想が寄せられました。

発達障害とは、脳の発達段階における「脳機能のかたより」というとらえ方をすれば、誰にでも当てはまると感じた。普通は、という言葉は使わないようにしたいと思った。
障害の定義、脳の偏りは誰にでも存在する、共に働くための「手だて」をお互いもつ、 多様性を受け入れるのではなく、「多様な状態になる」というお話しが印象的でした。
具体的な職場での対応方法に繋がる多くのヒントが得られたと感じました。 思い込みやラベリングなどをせず、一緒に考え相手に寄り添う対応の必要性を理解できました。


3. ダイバーシティ推進室宇谷様・遠藤様によるご感想

「富士通では「誰もが自分らしくあるために-Be Completely You-」とし、一人ひとりが能力や可能性を追求できる職場づくりを目指しています。 

今回のフォーラムでは、職場の“普通”への問い直しから始まり、テーマである発達障害などの周囲から理解されづらい障害、さらにコロナ禍の下での在宅ワークで周囲から見えにくくなっている困り事にも触れていただきました。LITALICO様には細部までこちらのこだわりにもお応えいただいて 大変感謝しております。

 参加者には、それぞれ想像力を働かせる中で、相互理解のためのコミュニケーションのヒントを持ち帰ってもらえたのではと思います。」

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今回LITALICOにご依頼いただきました富士通株式会社様、ありがとうございました。


LITALICOでは、障害者雇用を進められている企業様に対し、受け入れ後のマネジメントについて学んでいただく講習や研修もご提供しております。
ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。
h-navi-ad@litalico.co.jp

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