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鉄砲持ってさ、鹿撃ってさ、肉食ったって話 その1

なんで狩猟をしようと思ったの?と聞かれたら、結構答えるのに悩みます。

真面目の答えると「ヒグマを撃てるようになりたいから」だし、個人的には「ただお肉を食べたいから」と答えます。

いつかのクマ活の打ち合わせで、「街にクマを撃てる人がいない」という話を聞きました。

ウトロの街はヒグマの生息地の森に囲まれていて、年に数回ヒグマが街に出没します。その度に対策スタッフや猟友会のじーちゃんたちが出動し、追い払いや場合によっては駆除をすることになります。
今や、ウトロなんていう特殊な場所でなくても市街地にヒグマが出没する時代。ですが、ハンターの高齢化や技術継承ができていないことで、そもそもヒグマと対峙したことのあるハンターが少なくなってきているとのこと。「街に出たクマを、ルールを守って、迅速に、安全に撃つ」ことのできるハンターはもっと少なくなってきていることでしょう。

「あの人とこの人...数えるぐらいしかいない。その上に、仕事や病院で街から離れていることも多い。ヒグマが街に出たって対応できるかどうか。」

ヒグマと対峙するには威力の強いライフル銃が必要。ライフル銃を所持するためには、基本的に10年間、別の銃(ハーフライフルや散弾銃)を所持し続ける必要があります。

今から鉄砲を持ったって、ヒグマを撃てるのは10年後。

元々狩猟や有害駆除に興味があったのも一つの動機になり、「狩猟者になる」というちょっと長くてねちっこい戦いに挑むことになりました。

5月ぐらいから申請を始め、試験を受け、許可をもらったりなんだりで、その年の12月にやっと銃を手にすることができました。オホーツク振興局で狩猟者登録も済ませたので、山や森へ実際に出猟することもできます。

狩猟する(野生動物を捕まえる)こと、鉄砲を所持することは日本の中では特殊な許可でルールも厳しく、もういろんなことがわからないことだらけでした。

鉄砲を手に入れ弾も購入。年が明けた頃に射撃場へ。スコープを合わせるために50m、100m、200m先の的を狙います。当たるかどうか半信半疑でしたが、同行してくれた方が「なかなか筋がいい」と言ってくれるぐらいには命中。
100m先は狙いよりも10cm上にずれること、200m先は30cm下にずれることがわかりました。


「落ち着いて撃てば、鹿には当たるよ。」

もう少しで、鹿を撃つ。


帰りに厚岸あたりの可猟区で鹿を見かけて、さっそく狙いを定めて1発撃ちましたが、鹿は元気よく丘を越えて走っていきました。

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