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たくさんの動物にはらはらどきどき!『エヴィーのひみつと消えた動物たち』

『エヴィーのひみつと消えた動物たち』
 マット・ヘイグ 作
 ゆうこ 絵
 宮坂宏美 訳
 ほるぷ出版
 2021年9月

マット・ヘイグの児童書といえば、『クリスマスとよばれた男の子』をはじめとする「クリスマスは世界を救う」シリーズ(杉本詠美訳/西村書店)が有名ですよね。「ファーザー・クリスマスはどんな子どもだったの?」という息子のルーカスの疑問にこたえて書かれた、ニコラスという男の子が大活躍するお話です。

それに対して『エヴィーのひみつと消えた動物たち』は、「動物と、動物が大すきな女の子のお話が読みたい」という娘のパールのリクエストにこたえて書かれました。

ですから、とにかく動物がたくさん登場します。スズメ、ウサギ、犬、ネコ、トカゲ、ゾウ、トラ、ライオン、サル、ヘビ、クモ、カエル、コウモリ、ハムスター、フェレットなどなど、カバーに描かれている動物だけでも10種類以上。

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ほかに、ウシ、シカ、馬、カメ、インコなども出てきますし、「タコには、心臓が三つある」など、動物に関する豆知識もどっさり出てきます(本の帯にもいくつか書いてあります)。

しかも、主人公の女の子エヴィーは、動物が大すきなだけでなく、動物に関する特殊な能力を持っています。その能力のせいで、絶体絶命のピンチに……!

動物保護や環境問題を扱いながら、家族愛や友情も感じさせてくれる一冊。悪者との対決というエンターテインメント的な展開や、動物たちの恩返しという昔話的な要素もあるので、ぜひいろんな角度から楽しんでもらえたらうれしいです。

もうひとつ注目してほしいのは、絵とデザイン。カバーや挿し絵はもちろんのこと、見返しもこんな感じで、とってもステキなんです。

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(ちなみに見返しの紙は、エコ間伐紙という、間伐材を利用した環境に良いとされる種類の紙を使っているそうです。)

イラストのゆうこさん、装丁の西村さん、編集の石原さん、編集協力のなかのさん、ありがとうございました!


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