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敏感な40代男の日常:仕事人と家庭人との架け橋

朝の出勤時、自宅のエレベーターを待つ。
ドアが開くと、中に親子連れが乗っていた。
お父さんが子ども二人を保育園に連れていくみたい。
子どもたちを一生懸命なだめている。

「早くしないと遅れるよ」、「帽子をしっかりかぶってね」

お父さんは、慌てていて全然慣れていない感じ。

エレベーターに乗り込むとすぐに止まり、もう1組の親子が乗ってきた。
こちらも若いお父さんと子どもの二人連れ。

僕も、小学生の娘がいる父親。
どうやら子育てに頑張るお父さんが、エレベーターに集合状態(笑)


昔、娘を保育園に連れていくのに苦労していた自分を顧みる。
あの頃の僕は、本当に追い詰められていた。
保育園に行きたくないと大泣きされて、周りからの目が本当に気になった。
何とか娘をなだめて、連れていったっけ。

目の前のお父さんたちに「頑張って」と応援の言葉をかけたくなる。

子育てをして改めて分かったことがある。
子どもは嘘をつかないということ。
いくら正論を言っても虚勢をはっても、子どもには全く通用しない。
嫌なことは嫌、大人は常に見られている。
でも、自分を晒して向かい合えば子どもは信頼してくれる。

今思うと、逃げずに子どもと向かい合ってきて良かった。
父になって、自分が子どもとこういう向き合い方が出来るとは思わなかった。


私の子ども時代は全く違っていた。

父親は自分のことを正面から見てくれていなかった。
家にいる時は持論をぶって家族の話は耳をかさず、寝転んでテレビを見ているだけ。典型的な亭主関白。
高度成長期、男は外で仕事をして稼いでくるから偉い。
日本の成長の一翼を担っている自負。
家にいる人間は、黙っていろ。
そんな父親が本当に嫌だった。
今、年老いた父と母は、仕事人として家庭人として生きてきたそれぞれの苦労をお互いに共感できない。体験していないから。
だから行き違う。口論が多い。お互いを尊敬できない。

親を反面教師にして、これまでやってきた。
仕事でも修羅場をくぐり抜けてきた自負があったが、育児はそれ以上。
それぞれに得られるものが大きかった。


エレベーターから出る時、子どもがお父さんに一言。

「夜、いっぱい遊んでね」

お父さんも子どもに「いいよ。何して遊ぶ?」
とても温かい気持ちになる。

仕事と子育て両方に踏み込んだ経験をしている人がいることを実感。
この経験は、仕事・家庭両方に長く活かされる。

現実は、少しずつだけど確実に良い方向に変わっている。

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