無印本棚

無印良品週間スタート!絶対これだけは買っておきたいおすすめ商品「壁に付けられる棚」と、文字禍


一昨日から、無印良品週間が始まった。

2017年11月27日(月)まで、無印良品メンバーは全商品が10%オフである。


シャツ、アロマディフューザー、水出しのお茶パック、冷水筒、ボールペン、保温保冷マグ、ホーロー保存容器、化粧水……僕が無印良品で愛用するものは数あれど、一番便利だと思ったのは「壁に付けられる家具」シリーズの棚である。


大学院生は、とかく本を買う。

僕が持っている本の量は、おそらく東大文系大学院生平均を下回るんじゃないかと思うのだけれども、それでも置く場所がなくなってくる。23区内なのに家賃が4万円台の、クソ狭い部屋に住んでいるからなおさらだ。

だからどうにかデッドスペースのないように物を置かなければならないのだけれども、そんなときに、壁に付けられる棚が重宝する。

はい、この通り。ライトなエロ研究から分厚いエロ研究まで、幅広く並べることができる。これが、安いものだと2,500円で売っていたので、今年の1月に嬉々として取り付けた。

(参考:「壁に付けられる家具」

まあ、取り付けには画鋲を使うので賃貸には不向きなのだけれども、どうせ敷金なんて返ってこねえだろ、と思ってぶっ刺してやった。だって、クソ狭い部屋に4年も住んでいるのだ。2つ付けてやった。






しかし、今年の8月のことである。

僕は修論が書けなくて書けなくて、うつ病の数歩手前みたいな状態だった。

(参考:「挫折とダンディ坂野色のタウンワークと2億円」

 参考:「うんこを漏らすとテンションがキマる」


ある日、なけなしの精神力を使って、教授に「すみません、精神状態が芳しくなく、進捗がありません。報告する材料がございませんので発表を辞退させてください」と泣き言を述べるメールを送った(今なら「適当にレジュメつくればいいじゃん」と思えるのだが、当時の精神では不可能だった)。

ああ、俺は留年するんだな、と思いながら帰宅すると、部屋がこんなありさまだった。


空き巣が入ったのかと思った。

これほどありきたりな言葉もない。「ぐちゃぐちゃな部屋の比喩」の一番手前側にある語彙だけれども、やっぱり咄嗟に出てくるのはこすり倒された喩えなのだ。


棚を支えていた鋲が2つともバカになり、崩れ去って、ライトなエロ研究から分厚いエロ研究まで幅広く、本が床に散乱していた。

19インチのちっちゃなテレビもなぎ倒し、ずっと使ってないワンダーコアも覆いつくしている。


中島敦の短編「文字禍」では、「書かれなかった事は、無かった事じゃ。芽の出ぬ種子は、結局初めから無かったのじゃわい。歴史とはな、この粘土板のことじゃ。」と文字と歴史を侮った老博士が、数百枚の粘土板の下敷きになって圧死する。

「そうか、研究を侮ったから、『研究が崩れ去った』のだ」……しばらくぼうっと眺めたのちに、自棄になってにやにやしながら惨状を写真に撮ったのが、3か月前のことだ。



耐荷重は3kgだそうです。お近くの無印良品へ急げ!!





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