裃白沙

物理(いわゆるひも)で修士行ったけど俺はなぁーんにも物理をわかってねぇ! 塾講師だった…

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物理(いわゆるひも)で修士行ったけど俺はなぁーんにも物理をわかってねぇ! 塾講師だったけど事務に嫌気がさしてやめた、鳥 小説 https://www.pixiv.net/users/25658272 音楽 https://m.soundcloud.com/3bfp2anctypb

最近の記事

リベンジ・トロピカル-対称化(5:脱線)

こんばんは、先日第一子が産まれて、育児にバタバタ、裃白沙です。 更新頻度落ちますね、ゆるしてね。 前回は対称化トロピカルの方程式をどう解くかって話でした。 結果わかったことはというと、ただただバランス数が厄介、ということでした。 前回の内容は以下をリンクからみてください。 今回は前回の「面倒だなぁ」を踏まえて、ちょっとバランス数って変だなぁって話をしていきます。 つまり対称化max-plus(対称化トロピカル)の本筋からは外れます。 つまり妄想。 さて、何でバランス数

    • 微分形式練習-物理を例に(1-1)

      ゲージ理論というか、微分形式の練習のための前提条件としてのゲージ場の話まとめをしておきます。 この辺の話はいろんなサイトに書いてあるし、 「わかりやすい! 誰でもわかる10分物理動画」 みたいなので誰かしらがやってるでしょうから、そっちを見たほうが手っ取り早くわかった気になれるかと思います。 そういうの作ってよって言われても、もう10番煎じくらいでしょうから、再生数稼げないし、作る意味は皆無だと思ってます。世知辛いのよ。 そういうのじゃなく、真面目に手を動かして本当

      • リベンジ・トロピカル-対称化(4)

        トロピカル演算に無理矢理ひき算を入れるお話。 前回までは新たな数$${\boxminus a,a^\bullet}$$を含む演算のルールを見ていきました。 詳しい計算は前回の記事などを見てください。 さて、今回は対称化したトロピカル演算について、方程式を解いてみようと思います。 $$ 3\boxtimes x\boxplus 4=5 $$ こんな感じのものを解きたいわけです。 慣れていると、$${x=2}$$かなぁと思いますが、これを出してみようと思います。 やり方の

        • ファジィ集合のはなし(11)

          だいぶ期間があきましたが、こっちも忘れてはいません。 ファジィ集合というのは何か、詳しいことは初回から読んでいただくとして、大雑把にいうと、 ・普通の集合(クリスプ集合)は10以上のように含む含まないは二者択一。 ・どのくらい含むかを数値化(帰属度)して「どちらともいえない」を許容するのがファジィ集合。 ・帰属度はメンバーシップ関数で記述。 ・メンバーシップ関数はクリスプ集合である$${\alpha}$$カットから構成できる。(分解定理) ・集合間の演算はsup-min合

        リベンジ・トロピカル-対称化(5:脱線)

          リベンジ・トロピカル-対称化(3)

          トロピカル演算になんとかしてマイナスを入れたいこの記事、今回はようやく具体的な計算に入ります。 前回までが記法と演算の導入でした。 今ここでまとめるととても長くなるので、この辺りは前回の記事などを読んでください。 さて、今回はと言いますと、まず導入した三つの数について、$${\boxplus,\boxminus}$$をするとどうなるか見ていきます。 $${A=\begin{pmatrix}a\\-\infty\end{pmatrix},B=\begin{pmatrix}b

          リベンジ・トロピカル-対称化(3)

          リベンジ・トロピカル-対称化(2)

          トロピカルに無理矢理マイナスを入れよう。 そんな気持ちから解説をはじめたリベンジ・トロピカル、対称化トロピカル演算の今回は第二回です。 前回の記事はこちら。 あらすじ トロピカル演算にはマイナスがない。 ・和$${\oplus}$$をmaxにし、積$${\otimes}$$を通常和とみなした計算ルール ・積単位元は0,零元は$${-\infty}$$にするよ! ここまでが普通のトロピカル。 対称化に際して計算規則が変わるよって話で、 $$ A=\begin{pmatri

          リベンジ・トロピカル-対称化(2)

          トロピカルな計算練習(15)

          前回はトロピカルな多項式から得られる図形を見まして、その交点の数なんかを見ました。 今回はちょっと似た話なのですが、いかんせん前提がながい。 ニュートン図形について触れていこうかなと思います。 しばらくトロピカル関係ない話が続きます。 ニュートン図形、あるいはニュートン多角形(多面体)は数式もつ特徴をグラフに表したものです。 一番簡単な場合、一変数をかんがえると、以下のようなことをします。 (1)多項式を用意する $$ f(x)=a_0x^0+a_1x^1+a_2x

          トロピカルな計算練習(15)

          トロピカルな計算練習(14)

          夏の気配は遠のいて。いよいよ季節は秋に。 今年も海外旅行は厳しかったあなた。 みんな一緒にトロピカルな世界に出かけてみませんか。 常夏の沼にようこそ。 前回はこちら。 トロピカルな二変数関数は、その折れる線に特徴が現れる。 だからトロピカルカーブなんて呼ばれる。 そんなことをやりまして、前回はいろんなトロピカルカーブを描いてみました。 ときに、このトロピカルカーブ、その形から「結晶」とも呼ばれるようです。 「結晶」という呼び方は他の分野とも繋がっているようで、まだまだ掘

          トロピカルな計算練習(14)

          リベンジ・トロピカル-対称化(1)

          トロピカル幾何学。もといトロピカル演算。 それは足し算をmaxに、掛け算を足し算にした奇妙な算数世界。 しかしこの世界には重大な欠陥が一つあった。 引き算がない! さて、新連載、というほどではありませんが、トロピカルの応用編としてと対称化max-plus代数を考えます。 ようはなんかしたトロピカル演算です。 普通のトロピカルは以下から続く記事を参照。 今回はこのトロピカルになんとかして引き算を入れる"対称化"の話です。 このnote群での記法ですが、 ・max-pl

          リベンジ・トロピカル-対称化(1)

          トロピカルな計算練習(13)

          さて、前回はこのnoteでもはじめて「よくわからん」と言い逃れしましたが、今回からはというと、トロピカルのグラフに戻ります。 嫌なことは忘れます。 今までは一変数のトロピカル多項式をグラフにしてきたのですが、今回からはしばらく二変数のトロピカル多項式のはなし、そしてそれをグラフ化していこうと思います。 むしろトロピカル幾何というと世間ではこの話がメジャーなんだと思います。 むしろ今まで12回もみんなを脇道に連れ込んでたんですね、コイツ最低だな。 一変数多項式といいますと

          トロピカルな計算練習(13)

          図形の足し算(ミンコフスキー和)

          単発の面白い数学のはなし。 みなさんは小さい頃、図形に図形をぶつけて遊んだことはありますね? なんのことかって、積み木のことです。 積み木は立体と立体をぶつけてずらして落としてとやっているうちに、「詰めるんだ」と思ってからが楽しくなりますね。 みなさんも一歳くらいの時そうだったでしょ? あるいは敷き詰めるパズルとか、学校で三角定規を使うようになって遊んだりとか、物と物をすり合わせて動かすってことは、算数や数学を意識しなくとも人間、一度はやったことがあるかと思います。

          図形の足し算(ミンコフスキー和)

          高校の教科書でビオ-サバールの法則を教える方法。

          以前、高校物理でマクスウェル方程式を教える必要があるかって記事を書きました。 まあ、上の記事読むのも面倒だと思うので要約すると 「学んでおもしろいって思う人は一握りだし、実際マクスウェル方程式使って計算しないよね。でも確かに理論としては美しいよね」 という意見を述べたんですね。 つまり、おもしろけど高校生には必須の知識ではないってところです。 ただし、確かに電磁気がわかりにくいのは事実です。 高校の教科書における電気と磁気の対応を注意深く見るとなんだか不完全なのは、たとえ

          高校の教科書でビオ-サバールの法則を教える方法。

          トロピカルな計算練習(12)

          前回の記事ではベクトルの和、スカラーとの積、内積をトロピカル化しました。 今回は単位行列その他がどんなふうになるのか見ていきます。 まず単位行列ですが、普通の演算→トロピカル演算の対応を考えると、 $$ \begin{array}{}\begin{pmatrix}0&-\infty\\-\infty&0\end{pmatrix}\end{array} $$ というのが考えられます。 こいつを試しにかけてみますと、 $$ \begin{array}{}\begin{

          トロピカルな計算練習(12)

          トロピカルな計算練習(11)

          久々にこのシリーズ。最近またもうこりゃ暑いね。 だいぶ久々なので、何をやっていたか簡単におさらい。 ・和をmax演算に置き換えるよ! ・積を和に置き換えるよ! 以上のmax-plusで和積を考える演算をトロピカル演算といいました。 前回まで、いろいろな計算をトロピカル化し、前回は積分をトロピカル化しました。 今回はトロピカルな演算に書き換えた線形代数を見ていこうと思います。 トロピカルな線形代数は、重み付きパスの最短経路の問題なんかに応用されてます。これ、積がplus

          トロピカルな計算練習(11)

          ファジィ集合のはなし(10)

          だいぶ長くなりましたね、このシリーズ。 今回もファジィ数の 計算を掘っていこうと思います。 己の墓は己で掘れ、裃白沙です。 前回出した例を今回も使います。 「だいたいA」というファジィ数のメンバーシップ関数を以下で定めます。 $$ \mu_A(x)=e^{-(x-A)^2} $$ 前回は演算後のメンバーシップ関数を逆関数から絞っていきました。 今回も例として割り算をつかいますので、前回の結果をそのまま使います。 今回は、前回の記事のためのグラフを作るうちに気になった

          ファジィ集合のはなし(10)

          ファジィ集合のはなし(9)

          前回は本筋を離れて拡張原理と分解定理を眺めていろいろ考えました。 今回はファジィ集合で定義された「大体の数:ファジィ数」の計算をもうちょっと楽しみたいと思います。 ファジィ数の計算ルールは以上の記事に書いてますが、二つ読むのが面倒という方のために簡単に申し上げますと、 1.演算$${A\circ B}$$の結果が$${z}$$になるような$${x\in A,y\in B}$$の組み合わせ全てに対し、メンバーシップ関数の小さい方の値を記録。  式でいうと$${\min(\

          ファジィ集合のはなし(9)