テニス部に入部するには…(その1 売買契約)

こんにちは。弁護士の紙尾浩道です。

さて、コロナウイルス感染症のせいで、新入生の皆さんの授業開始が遅れてしまっておりますが、学生時代、部活まっしぐらだった私としては、

「部活動ができない」

これ、深刻な問題ですね。一刻も早くいつもどおり部活動ができることを願いつつ、今日は、テニス部に入部することになった新入生(またはその親御さん)に向けて、法律のことをお話しします。

テニス部に入部が決まった時、まず初めに、ラケットその他の用具を調達しにお店に行きますね。お店でラケットを選び、買う。ごくごく当たり前ですが、これ、法律的に言うと売買契約です。

お店は、「ラケットを引き渡す」義務(これを「物の引渡債務」といいます。)を負う代わりに、「代金を支払ってもらう」権利を得ます。反対に、新入生のあなたは、「ラケットを引き渡してもらう」権利を得る代わりに、「代金を支払う」義務(これを「代金支払債務」といいます。)を負います。

ちなみに、あなたがラケットの代金3万円を支払ったのに、お店がラケットを引き渡してくれなかったらどう思いますか?腹が立ちますよね。え、腹が立つじゃすまない?!そうそう、そうなのです。そこで出番なのが法律なんですよ!

あなたが、代金支払債務を果たしたのに、お店がラケットを引き渡してくれない、つまり、物の引渡債務を履行しないときには、あなたが裁判所に申立てをして、店にラケットを引き渡すように命令してもらえます。

「なーんだ、弁護士のくせに、そんな当たり前のことを…そんなの簡単だし、そもそもそれくらいで裁判だなんて大げさだよ」と思ったそこのあなた、たしかに、通常は裁判になることは無いと思いますが、あなたの「当たり前」が、法律上、どこまで当たり前か、わかりますか?

第1問 あなたは、お店との間で、ラケットを3万円で買うという売買契約を結びました。しかし、うっかり者のあなたは、財布を置いてきてしまいました。さぁ、このような場面で、あなたは、「あとでお金を払うから、とりあえずラケットだけ引き渡して」といえるでしょうか?

ヒント!! 売買契約は成立しているのだから、先ほど述べたように、お店には、「物の引渡債務」が生じ、あなたには「代金支払債務」が生じています。

正解は、コマーシャルの後!(次回記事に記載します)

記事をお読みいただきありがとうございます。弁護士は縁遠い存在と思われないよう、今後も地道に活動をしようと思いますので、ご支援よろしくお願いします。