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自治体変革PJ-DXには、システム思考を取り入れる

サービスデザイン真っ盛りな中で、なぜ、システム思考を取り入れるか。
それには2つの大きな理由があります。

デジタルシフト推進リーダー研修(第2回)

1、単純系ではなく複雑に要因が絡むときには構造を確認し取り組む

複数部門が関わる、あるいはセクショナリズムを含む複雑な問題、もしくはステークホルダーが多くいるようなときの解決策を考えなければいけない場合があります。

こういうテーマや、解決策を考えての依頼事項が増えています。
具体的にいうとデータアカデミーだと「中山間地」「産業促進」「移住定住」「結婚支援」などのステークホルダーが多く、目標も抽象的になりがちで、分析しただけでは分かりきった(主にできない理由が数字で現れる)ことが判明するパターン。自治体改革PJ-DXであると、コミュニケーションや情報連携、A部門とB部門の利害が対立し互いに不幸な状態になっているものなど。

今までのように、個別の部門の課題や自分でコントロールできる内的要因に帰するものであればこのような形で対応できます。
・単独のサービス(申請や相談、○○業務)などなら、サービスデザインで対応する。
・政策立案をするためには、仮説を立ててデータ分析して、EBPMをもと施策として対策を考える。

ですが、複雑系の解決を進めるためには、現状の構造を把握し、構造上の問題点を打破しないと、個別の小さな課題をテクニックでなんとかしたところで、効き目は小さいです。

2、目の前のことに囚われて全体が見えていない

研修をしていると、目先のこと、もしくは施策ありきで、発展性がないことが見受けられる。

・自部門に与えられた施策に対する課題を1点1点の課題としてしか捉えられていないため、個別施策の塊になってしまう。
・目標・問題・課題を考えたときに、課題をそのまま解決してしようとしてしまうため、解決策が浅くなる。
・目標にスローガンを書いてしまう(それが総合計画に書かれていたりするから)。現状の把握が、数値レベルで産業構造、地域の構造を考えられていない。

これを解決するためには、課題同士の因果関係と、どの部分に構造的な問題があり、直していくのかを考えていく必要がある。
小さな目先のことで課題を完結しないのが、継続的に課題が発生しない状況を作るために必要なことだ。

だからこそ、システム思考を取り入れる

目標・問題・課題を切り分けたあとに、システム思考で現状の構造を明確にすることで、今までは個別にみていた課題の束の中から、本当にネックになっている部分がわかってくる。この負の鎖を断ち切ることを考えていくのが現状把握の第一歩である。

そして、その中から、解決の種を決めていく。
まさに、この工程が、あるべき姿を進化させる工程でもある。
この辺りは、コンサルティングにもつながっているので時間があるときに別途書くこととしよう。


このように、課題やテーマによって、支援の仕方は異なる。
一つの手法にこだわる必要はない、課題解決に資する方法を常に模索し更新していくことがアジャイル型の伴走支援に向いているのではないだろうか。

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