見出し画像

全人類へ、愛

先日、大学終わりに友人と飲んだ。

サークルの新幹部4人で、チェーンの居酒屋に行った。親睦会みたいなものである。同じサークルの同期でイベントがあれば話したりもしていたが、まだお互いのことをあまり知らない段階だった。わたしたちのおしゃべりはサークルの話から始まり、話題は授業の話や嫌いな食べものの話にころころと変わっていった。

ある程度酔いが回ってきた頃、わたしたちは人付き合いの話をしていた。主には、嫌いなひととの付き合い方について。わたしは梅酒の水割りを飲みながら友人たちの話を聞いていたが、そのうちのひとりがこう言った。

「この人は苦手だなって思うことはあるよ。でも、ほんとうは全人類好きでいたいの」


わたしの心に、彼女の言葉がすとんと落ちた。素敵な考え方だと思った。ひとに対して苦手だとか嫌いだって思うこともあるけれど、できるならみんなに愛を持って接したいし、どんなひとともうまくやりたい。 わたしが苦手なあの子は誰かにとって大切なひとで、きっとあの子なりに一生懸命生きているのだ、わたしと同じように。嫌いだ、なんて冷たい感情は、できるだけ向けたくない。

わたしは、みんなのことを好きでいたい、なんて美しい考え方をする彼女が好きだ。そんな彼女は、わたしのことを人当たりがいいと褒めてくれた。わたしのmbtiがinfp(仲介者)だと話すと、「すごく仲介者っぽい、ひかるちゃんが1人だけキレてるとこなんて想像つかないし、仲悪い人どうしの仲介とかしてそう。誰とでもうまくやれるよね」と言ってくれた。わたしは彼女の言葉を素直に受け取った。なんだか少し自信がついた。わたしは、誰とでもうまくやれる人当たりの良い人間らしい。

その夜はふわふわとした心地で帰路についた。そういえば、嬉しい言葉をくれた友人にありがとうを伝え忘れた。今度会ったらお礼を言わなきゃ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?