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プロスペクト理論でみる、自由恋愛の欠点


自由恋愛はクソだ


日本は、少子化により国家が解体する寸前である。

この状況において、自由恋愛システムがそもそも間違っていたのではないか? という指摘も増加してきた。


このNoteでは、プロスペクト理論の観点から、自由恋愛システムが悪手であることを説明したい。

プロスペクト理論とは、ひとことでいうと、「現状維持バイアス」である。
人間は、利益より損失の方を重視するということだ。

独身男女を考える。
・独身男性は、結婚によりカネと自由を失う
・独身女性は、将来よりよい男と結婚する可能性を失う

両者ともに結婚する損失のほうが、結婚する利益よりも大きく見える。

だから、自由をベースに、結婚システムを運用すると結婚しない人が続出する。

その結果、日本国は滅亡する。


プロスペクト理論


プロスペクト理論というのは、利益よりも損失を大きく感じてしまう感情反応メカニズムのことだ。

当たり前のように思えるが、これを様々な実験を通じて科学的に証明したのが、重要なのである。

プロスペクト理論を提唱した経済学者は、ノーベル経済学賞を受賞している。それくらいインパクトがあった理論だ。

下の図は、プロスペクト理論の説明で使用される図である。

人間は、利益より損失を過大に評価する。

https://designalpha.jp/knowledge/marketing/prospecttheory/


プロスペクト理論は、おもに販売促進の手法に応用される。
人間は、”利益”より”損失”に大きく反応する。
それゆえ、以下の手法が有効だ

・期間限定キャンペーン
 期間中に購入しないと損します!
・全額返金保証
 満足いかない場合は返品すればよいから、ノーリスクです!
 (いったん購入すれば、現状維持バイアスにより、手放すことをよしとしなくなる)
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若い女性が結婚したがらない理由


婚活といえば、高齢の女性が高望みをするために、結婚できず婚活難民になるというイメージがある。女性の高望みの結果、最近では男性が婚活市場から撤退しているとのことだ。

30代~40代の女性が、年下で年収○○万円以上! と条件をつけて、身のほどしらずだと、ネットで煽られている。

だがしかし、彼女たちにも例外なく若い時期が存在していたのである。

彼女たちは、なぜ若い時に結婚しなかったのだろうか?

それは、若い時に結婚することは、大きな可能性を放棄することになるからだ。

若い女性の価値は、プライスレスである。
それこそ、とんでもないハイスぺと結婚できる可能性が間違いなくある。

今、目の前の普通の男と結婚することは、将来であうかもしれないハイスぺと結婚する可能性を放棄することに等しい。

だから、若い女性は、結婚を決断するハードルが高くなる。

女性にとっても、結婚をすることは、いろんな可能性を諦める”損失”を伴うものなのだ。


成立しない取引

独身男女を考える。
・独身男性は、結婚によりカネと自由を失う
・独身女性は、将来よりよい男と結婚する可能性を失う

では、結婚により得られるものは?
・独身男性は、性的な満足が得られる
・独身女性は、カネが得られる

だがしかし、男女ともに得られるものより、失うものの方が大きく評価されるとしたら?

実際に、ノーベル賞を受賞したプロスペクト理論において、人間というのは損失を利益より大きく評価することがわかっている。

当然ながら、取引は成立しない。


独身者の激増は仕方がない?

わかった。
たしかに、人間には、損失回避したがる性質がある。
だから、結婚を望まない独身者が増える。
だったらそれはそれで仕方がないのではないか?
そう思っている人が多いだろう。

だがしかし、自由恋愛システムは、囚人のジレンマに似ているのである。

つまり、社会全体としては、しかるべき男女をまわりがおせっかいして、結婚させていた時代の方が幸福度が高かったはずだ。


囚人のジレンマ

囚人のジレンマとは、各個人が合理的な選択をした結果、全体からみて不合理な結果が発生する、という現象のことだ。
(合成の誤謬ともいう。)

下表の例では、容疑者Aと容疑者Bが警察に捕まっている。
容疑者Aと容疑者Bには、”自白” or ”黙秘” のどちらかを選択することができる。

容疑者Aとしては、自白をすれば、たとえ容疑者Bが自白したとしても懲役5年で済む。もし、容疑者Bが黙秘してくれれば、自分自身はより軽い罰で済むのである。
逆に、自分自身は黙秘して、容疑者Bが裏切り自白したら、懲役10年を食らってしまう。

だからこそ、容疑者Aにとって”自白” が最適解になる。

ただし、同じ構図が容疑者Bにおいても成立している。だから、容疑者Bにとっても”自白”が最適解になる。

それゆえに、容疑者A、容疑者B、両方共が自白して、両方とも懲役5年ずつに落ち着くのである。

だが、容疑者Aと容疑者Bが、協力することができれば、両者ともに懲役2年ずつで済むのである。

だから、全体から見た最適解は、容疑者A、容疑者Bがともに”黙秘”を選択することだ。

だけど、現実には、両方ともに”自白”を選択する。

個人レベルで合理的な選択をした結果、全体としての不合理が発生する。
これが囚人のジレンマである。

https://yasabi.co.jp/prisoners-dilemma/


囚人のジレンマと同じ構図が、21世紀日本における男女関係にも当てはまる。


強制結婚制度

もし仮に、20歳でしかるべき男女を、半ば強制的に結婚させることが可能だとしたら?

男性からすれば、非常にありがたい話である。
男性は性別的には淘汰される側である。だから男性のほとんどは、非モテだ。

特に、性欲が大きくなる20歳の時点で、女性と結婚することができれば男性の人生における総合的な幸福度は相当に上昇する。

女性にとっては、迷惑な話である。
女性は、性別的に選ばれる側である。若さがあれば、分不相応にハイレベルな男と付き合うことが可能であるし、イケメンにちやほやされることだって可能である。

だが、その瞬間だけをみれば女性にとっては、強制結婚制度は、非常に迷惑な話なのであるが、長期的にみれば、女性にとっても合理的な話なのである。

一般的に女性の収入は、男性よりも少ない。

特に、21世紀の日本では、少子高齢化により年金と生活保護制度の維持が危険な水準になっている。

年金も、生活保護もあてにできないと考えてほしい。

その場合、独身の特に非正規雇用の女性は、どうやって生きていけばよいのだろうか?

例えば、非正規雇用が増えたとされる氷河期世代(※)において、男性の正社員割合は、なんと93%である。
一方で、女性の50%以上が非正規雇用だ。

要するに、女性は男性と比較して、圧倒的にビンボーなのだ。

ビンボー故に貯金もできない。

結婚において、女性が男性に経済力を求めるのは、現実としては女性が経済力をもっていないからである。

確かに、21世紀の日本国は女性にやさしい。
だがしかし、日本国そのものが盤石とは程遠いのである。

20歳の時点で、男性と結婚することができれば、その男性を頼って生きていける。

※氷河期世代に着目する理由は、ちょうど日本の社会保障制度が限界を迎えるタイミングで、もっとも社会保障が必要になる世代だからだ。氷河期世代が高齢者(働けない後期高齢者)になるタイミングが、日本の社会保障が崩壊するタイミングである。

一人では生きられない女性

女性も、一人で生きていけるのだから、おせっかいな強制結婚制度など、とんでもない!という意見もあるだろう。

だが、現実問題として本当に女性は、一人でも生きていけるのだろうか?
氷河期世代(40~54歳)の非正規雇用女性は530万人である。
(非正規雇用男性は95万人)

非正規雇用の場合、手取りで月に15万円程度だろう。ここから、家賃・水道光熱費・食費などを引いていけば、貯金などできはしない。

だから、非正規雇用の女性は、高齢になるなどの理由で働けなくなったら、即刻 使えるカネがなくなる。

今の日本では、生活保護制度など手厚い社会保障が存在するが、今後間違いなく社会保障制度は当てにできなくなる。

その状態で、530万人の非正規雇用女性は、本当に一人で生きていけるのか?

家賃を払えなければ、路上に追い出される。
カネがなければ、食料品を買うことができない。

食料品を盗めば、本来なら刑務所に入れられて、食事を提供されるはずだ。だが、ビンボーになった日本国には刑務所を維持・整備できるカネがないから、万引き程度の犯罪であれば、追い返されるだろう。

犯罪をしても、裁かれないとなると、どうなるか?
人々は、勝手に罰を与えだす。
万引き犯は、店員さんがぶん殴るのだ。

盗みをしても、警察がちゃんと裁いてくれない。
だったら、俺達が裁いても問題ないよな?と民間人たちが勝手に私刑をやりだす。

仮に、私刑をよしとしない店が存在したとしよう。
そんな店には、万引き集団が押し寄せて、カネを払わずに商品を持ち去ってしまうから、たちまちに倒産してしまうだろう。
なんせ、万引き程度の犯罪では、刑務所にいれることができないのだ。捕まえて警察に引き渡しても、すぐに戻ってくる。
だから、私刑(暴力的な制裁)を与えて、万引き犯に恐怖を与えられない店は生き残ることができない。

万引き犯に対する暴力に関して、警察も、みてみぬふりをするだろう。

実は、日本は厳密な法治国家ではない。実際に、10年ほど前まではサービス残業などが法律上は禁止されていたものの、だれも守ってないという状態が長年にわたる継続していた。

社会保障が維持できなくなり、刑務所が適正に機能しなくなった国においては、カネのない女性が一人で生きていくのは困難だ。

カネがなければ、路上で飢え死にである。

飢え死にするのは男も一緒だろう!?
と言われるかもしれないが、男性はそもそも寿命が短く、それゆえに働けない期間が短い。
そのうえ、正規雇用者が多く、貯金も女性に比べて多い。もちろん、男性も飢え死にするだろう。だが、女性のほうがたくさん飢え死にするはずだ。


氷河期 非正規 未婚女性

今現在、もっとも悲惨で未来がなく、どうしようもない属性は、氷河期世代の非正規雇用未婚女性である。


人間が生きていくうえで、もっとも重要なことは何だろうか?

生きがいとなる趣味?
生涯をささげることができる仕事?
それもと、人のために生きることができる愛?
思いやりのこころ?
死んだあとに天国に行くための徳ポイント?

いろいろな考え方があるだろう。

だが、ここでは、3大欲求を満たすことだと考えてほしい。
1.睡眠欲
2.食欲
3.性欲

である。

おそらく、このNoteを見ている人たちは、1.睡眠欲と2.食欲は十分満たすことができているだろう。(3.性欲は、残念ながら日本国では満たされない人が多い。不幸な国だ。)

だが、睡眠欲と食欲が満たされるのは、当たり前ではない。

例えば、ホームレスになったと考えてほしい。夏は暑くて眠れない。冬は寒くて眠れない。
食事は、満足に食べることができない。

あるいは、インドのスラムに住む人たちでもよい。インドでは鉄道の線路ぎわに貧困層が住むスラムが形成されていたりする。当然、電車が通るたびに騒音が発生するのでうるさい。
高架下の飲食店で食事をした経験を思い出してほしい。電車の通過音で声がきこえなかったりしたはずだ。あの騒音まみれの環境で、安眠するのは難しい。

このように、世界には睡眠欲が満たされない、間違いなく不幸なひとたちが存在するのである。

氷河期 非正規 未婚女性は、1.睡眠欲 と2.食欲 が満たされない 不幸なホームレス状態になる危険性が極めて高い。


数百万人の氷河期 非正規 未婚女性が、ホームレスとなり、そこら辺で倒れている。

それが日常の風景になったときに、それでも女性が一人でも生きていけると言えるのだろうか?


まとめ


人間には、現状維持バイアスが存在する。損失を過大評価して、利益を過小評価する。だから、個人の自由な選択に任せておくと、結婚しない人が大量発生してしまう。

多少なりとも圧力をかけて、皆が結婚できる社会のほうが皆が幸せになれる。

男性は、若いときに性的なパートナーを得られてWin
女性は、経済的に支えてくれるパートナーを得られてWin

みんな、幸せになれていた。

だが、自由恋愛の普及により、男性・女性ともに損失を被るような状態になっている。これは囚人のジレンマに似ている。

結果、男性は非モテに苦しみ。女性は経済的な困窮にあえぐことになる。

特に、独身・非正規雇用・氷河期世代の女性は、自由恋愛のツケを背負ってとてもひどいめにあうだろう。


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