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【書評】何もなかったわたしがイチから身につけた 稼げる技術 女性のためのカセギスキル/和田裕美

タイトルに「女性のための」とありますが、二つの意味で男性も読んだほうがいいと思います。

ひとつは、「稼げる技術」の基本に男女差はないから。和田裕美さんのセミナーは、男女の区別はありません。この本の元になっているセミナー「カセギスキル」も同様です。女性に特化したスキルやマインドを教えてくれています。ですから、営業成績を伸ばしたいなど、成果を出したい人にとって、男女関係なく役立つ本だと断言できます。

もうひとつは、働く女性を理解するため。いままで以上に女性と一緒に働く機会が増えると思います。今までは、どちらかと言えばバリバリ仕事をしたいタイプと、パートなどで家計の足しになれば的な働き方をするタイプと、二つに分かれていたと思います。しかしこれからはその垣根も低くなっていくでしょう。一緒に働いて成果を出すためには、事情なり背景なりを知っておいた方がいいと思うのです。

〈目次〉
第1章 何もなかったわたしが身につけた「稼げる技術」
第2章 「お金スキル」を身につける!
第3章 「好かれるスキル」を身につける!
第4章 「動けるスキル」を身につける!
第5章 「できるかも…でも不安」を、根こそぎ取り除く
第6章 人生100年時代! 一生食べていけると、あなたがキラキラ輝く!

「お金」「好かれる」「動く」は、和田さんの愛読者、セミナー受講者にとってはおなじみの言葉です。これが「稼げる技術」の基本になります。

おなじみだからといって、ちゃんとできているわけではありません。できていたら僕はもっと稼げているはずです(苦笑) それでも和田さんと出会った10年前よりは確実に稼げているはずです。単に10年分、年功序列で給与が増えた、よりは少し多めに稼げるようになったと思います。

3つのスキル、10年前はどれも持っていませんでしたが、営業出身だったこともあり、「好かれる」ことの大切さはすんなりと受け入れられました。「人は、嫌いな人からモノもサービスも買わない」と実感してきていたからだと思います。

「動く」は苦手でした。やろうとするだけで実際には何もしない生活を、10年以上続けてきましたから。でも、少しだけ勇気を出して動いてみれば変わります。和田さんのセミナーに参加してみたら、見えてくる世界が変わった。そういう経験をいくつかしているうちに、動かないと損、と思えるようになりました。

いまでもなかなか動けずにいることもあります。このブログは書こうとしてすでに1週間が過ぎています(苦笑) でも、動けばなにかが変わる確信があるので、動こうという意識は常に持てるようになりました。

一番苦手だったのは、お金です。なかなか「お金が欲しい、というのははしたない」との呪縛から逃れられませんでした。明日の生活が困るほどお金がない時期、振り返るとお金を持っている人を妬んでいたと思えます。だから逆に、きれいごとを言いながら「金のためにやっているんじゃない」と強がっていたような気がします。

でも、お金がないと理想をする活動もできない、どころか生活ができない。理想の前に現実の生活があるわけです。それを少しだけ稼げるようになり、生活が安定してきた頃に思うようになりました。そして東日本大震災のあと、確信するようになりました。

いまなら、たとえば「災害被害者を支えるため、あるいは、災害被害者を支える活動をしている人たちを支えるために、金を稼ぐ技術を高めたい」と言い切ることができます。

僕にとってはこの10年の集大成のような本なんで「女性のための」ということで女性しか読まないのはもったいないと思ってしまうのです。

むろん、男性より女性の方が、さまざまな点で不利になるような仕組みがあります。男の僕にできたからといって、女性に向けて「あなたもできる」なんて単純な話ではないこともわかります。だから僕の話ではなくこの本を読みましょう。女性がどうすればいいか、きっちり書いてあります。

その意味で言えば、女性の中でも、仕事を続けてキャリアを重ねてきた人以上に、育児などでブランクがある人に、もっと言えば、男性を含め、いま働いていないけどまた働きたいと思っている人に読んでほしいと思う本です。

全体を読んで、いろいろ学んだあとにやってほしいことがあります。p132に「プロフィールシートをつくる」という項があるのですが、それです。

内容は、これまでのあなたの経験と強みを書くだけです。
経験は、仕事だけに限りません。(p132)

何もなかったわたしがイチから身につけた 稼げる技術 女性のためのカセギスキル

「仕事だけに限らない」のですから職務経歴書とは違います。マンションの理事会、PTA、ボランティア、などあらゆることが対象です。

僕はつくったことはなかったですが、なるほどなあ、と思う節はあります。仕事そのもので評価されることもありますが、それとともに、わくわく伝染ツアーの打ち上げを企画主催したり読書会を企画運営したり、診断士になってからも研究会の幹事をしたりイベントの幹事長をしたり、ということが評価につながり次の仕事に結びついている気がします。

「そんなモノがかけるかなあ」
と思うかもしれませんが、この本を読み終われば、書けるようになると思います。

この本、従来の和田さんの読者は復習として読むには最適です。そして読み終わったら「あの人に読ませたい」という人を見つけて薦めてみましょう。一人でも二人でも、この本をきっかけに「自分も稼いでいいんだ、稼げるんだ」と思う人が増えることを願っています。

2018年11月6日更新


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