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SDGsが日本に追い風な理由

こんにちは。SDGsという言葉は大分認知が広まってきたんじゃないでしょうか。インテージの調査によると2018年に9.3%だった認知率が、2020年には27.8%まで上がったようです。大企業や役所でビシっとスーツきてる人が胸に17色の丸いバッヂを付けてるのを見る機会も急に増えた気がします。

さて、今更SDGsとは何かを説明いたしませんので基礎的なところは検索して頂ければと思います。落合陽一さんが「ヨーロッパ型のゲームであるSDGsに日本は上手く乗っかった方がいい」というような趣旨の指摘をされていたのが興味深く、この度考察してみました。

過去の繁栄に縛られていては気分もふさぐ・・・

ちょっとコロナは置いといて、今日本の経済ってなんかネガティブな文脈で目にすること多くないですか?アベノミクスで株価は上がったけど物価は上がらないとか、GDPで中国に抜かれたとか、バブル景気以降失われた30年とかとか。政治もアメリカを見てばかりでやはりこれまでの資本主義のゲームで物事が考えられがちです。いや、もしかしたら若い人たちはハナからそんな考え方はないかもしれませんが。

決して資本主義を否定する訳ではありませんが、一応言っておきます。「もう経済成長ばかり追い求めるのはやめませんか」と。アメリカに追いつこうとしたってGAFAMをこれから日本で産めますか?今や世界の工場となった中国にモノヅクリニッポンで対抗しますか?

もしできたとしても数十年も先のことだろうから、いつまでも過去の栄光に戻ることに縛られていては、気分も落ち込んじゃう。だから負け続けるゲームはもうやめた方がいいと思います。ちなみに1989年の世界の時価総額企業ランキングではTOP50に日本の企業がなんと32社も!それが2019年は43位のトヨタ1社のみ。。。このルールでは負け確定!

日本はSDGsと相性がいい?

前置きが長くなってしまいましたが、そんな日本がSDGsに乗っかるのがいいとはどういうことか。まずなぜSDGsがヨーロッパ型かというと、その達成度ランキングを見ればわかります。いろんなゴールの塊だから進捗がモニタリングされてるんですね。

2019年のランキングでは1位から10位まで全てヨーロッパの国。さらに上位20の中には16カ国もいるじゃないですか。もはやヨーロッパの為に作られたと言っても過言ではないかと(もちろん各国頑張っての結果だと思いますが)。気になる日本はなんと15位!アジアでトップ。アメリカ35位、中国は39位。いろいろツッコミが聞こえてきそうですが結果的に日本はこのゲームに合ってるということが言えます。ちょっと明るくなってきました。

SDGsの「S」、「サステナブル(持続可能性)」という点から日本を見たときに世界に誇れることもあります。例えば歴史と伝統。世界最古の木造建築である法隆寺(の技術)や古事記や日本書紀といった書物など、他にも言うまでもなくいろんなものあります。歴史と伝統といえばヨーロッパもそうですよね。古い建物が残ってます。

おもしろいデータがあります。日本には創業100年を超える企業が33,000社以上あり、創業200年以上の企業数も3,000社を超え、さらに創業1,000年を超える企業が8社もあるとのこと。そして世界全体で1,000年以上続く企業は14社あるので、半数以上が日本ということなのだ。めちゃくちゃ持続してるじゃん!

SDGs的観光立国

日本ならではのSDGsの戦い方で注目したいのは、14番「海の豊かさを守ろう」15番「陸の豊かさを守ろう」です。つまり日本の多様な自然をウリにするということです。自然環境を守ろうだけでなく。普段あまり意識している人はいないかもしれませんが、世界中で日本ほど自然が豊かで遊ぶことに恵まれた国はないんじゃないでしょうか。

北は雪を楽しめるし、南には熱帯の海があるし。山に登ればいたる所に整備された登山道と山小屋があるし。水も豊富で川や湖も多い。朝に湘南でサーフィンして午後は湯沢でスキーなんてこともやろうと思えばやれちゃう(いつかやってやろうか)。しかも首都のこんなに近くで。世の中にある、いわゆるアウトドア・アクティビティで日本でできないものはあるんだうかというくらいです。

そして、こういったことがインバウンド(訪日外国人)獲得の柱になる可能性が高まってきました。「アドベンチャートラベル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?そのまま訳すと「冒険旅行」。ATTAという世界的な協会もあって100カ国以上に支部があるらしいのです。欧米の人たちはアウトドア・アクティビティを楽しむ為だけに旅行するというスタイルが当たり前のようにあるんですね。ところが今まで日本はその対象地域としてほとんど認知されてなかったようです。2018年には日本にも支部ができたのでこれから推進されていくことを期待します。

デービッド・アトキンソンさんも日本は観光で稼げるポテンシャルがとても高い、欧米人は旅行単価が高いと説いてらっしゃるので、ニュージーランド的な観光立国としての側面は日本にとってチャンスです。

他にもある日本の持続可能性と世界の潮流

さて、SDGs14番15番について観光面での戦い方について触れましたが、この二つは海や陸の資源についても書かれています。そして実は日本はこの点においても持続可能性を昔から持っていました。それはまた別のテーマとして取り上げたいと思います。

SDGs観点から日本の経済を進めた方がいいんじゃないかという考え方に追い風となり、押さえておくべきキーワードは「ESG投資」です。これも詳細は省きますが、簡単に言うと世界の投資家がSDGs的なことをやってる企業に優先投資するという流れになっています。大量生産大量消費の価値観では今後やっていけなくなりそうですね。



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