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アルスフェス2020 ・ テーマの読み解き ・

博報堂ブランド・イノベーションデザインの竹内です。今回は、アルスエレクトロニカ・フェスティバル2020のテーマ「In Kepler’s Gardens(ケプラーの庭で)」について、自分なりの解釈も加えながら掘り下げてみたいと思います。

ヨハネス・ケプラーとは:「ケプラーの法則」で地動説を確固たるものに

ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラー(1571-1630)は、1612年、オーストリア・リンツに州数学官として赴任し、数年間を過ごします。天文学の研究を続けたケプラーは、1618年にケプラーの第三法則(調和の法則)を発見します。

天動説がまだ根強く信じられていた時代。天体の運行法則に関する第一・第二・第三の「ケプラーの法則」によって、地動説が確かなものであることが証明されました。ケプラーは、天動説という常識を疑い、地動説という新たな常識を確立することに、多大な貢献をしたのです。

今年のアルスエレクトロニカ・フェスティバルは、大半のコンテンツがオンライン化されるものの、一部のプログラムはリンツ市のヨハネス・ケプラー大学で開催されます。

メイン会場がヨハネス・ケプラー大学だから、フェスティバルテーマが「ケプラーの庭で」。たしかにそうなのですが、それ以上に、ケプラーの常識を疑う姿勢、科学的な態度を今こそ大切にしたい。そんな強いメッセージを感じます。

余談ですが、ヨハネス・ケプラーは若い頃、当時ヨーロッパで流行した天然痘を患い、目に後遺症が残ったそうです。天文学者としては、相当な痛手だったはずです。にもかかわらず、偉大な研究成果を挙げたケプラー。このあたり、どこか現在の状況に通じるものがあり、そのなかで私たちがなさねばならないことを考えさせられるように思います。

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Gardensの意味:いまこそ「庭」のような、思索と共創の場を。

ケプラーの時代から約400年。世界はますます不確実性を増し、COVID-19のパンデミックは、私たちの日常を大きく変えてしまいました。今日ほど、旧来の常識を疑い、新たな常識を共有することが求められる時代はないかもしれません。

新たな価値観や行動に向けて大きく舵を切るために、一度立ち止まり、自由に歩き回り、出会う人と対話し、思索を深める、「庭」のような場所が必要です。

ケプラーにとってそれは、ひょっとすると、緑豊かなリンツの丘を逍遥することだったり、雄大なドナウ川のほとりを歩くことだったかもしれません。現代の私たちにとっての「庭」のような場は、オンライン上に立ちあがります。

2020年のアルスエレクトロニカ・フェスティバルでは、リンツを起点に、世界中の知がつながり、たくさんの「庭」が形成されます。日本にいながらにしてそれらの「庭」たちを巡る体験は、世界の多様性を実感し、私たちを取り巻く環境や自然との関係を見つめ直す貴重な機会になるはずです。

これまでお話ししてきたような考えから、私たちは、「In Kepler’s Garden」に、「(常識)を疑い、新たな常識をつくる。ケプラーの庭で、世界中の知をつなぐ。」という日本語の副題をつけて、今年のフェスティバルテーマを解釈しています。

不確実性を変革の原動力にするために。新たな世界の地図を描くために。散策に、出かけませんか。

次回から、博報堂アートシンキング・プロジェクトの仲間たちが、より詳細なフェスティバルのご説明や、注目ポイントのご紹介を試みます。引き続き、よろしくお願いいたします。

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【関連リンク】
Ars Electronica top page
https://ars.electronica.art/futurelab/en/
Art Thinking Program
https://ars.electronica.art/futurelab/en/projects-art-thinking-program/
Ars Electronica Festival2020
https://ars.electronica.art/keplersgardens/


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