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初めてオーダーリングを作った話

2019年12月7日。

神戸に、quarant'ottoというジュエリーショップがある。
すごく好きなんだけど、私にとっては敷居が高く、自分の中で大きな節目があったときに、思い切って購入するようなお店。
そのお店で、毎年年末になると、ルースの石からオーダーメイドのアクセサリーを作れるというイベントがあり、ずっと気になっていたのだけど、
遂に昨年「見るだけ…」と自分に言い聞かせてお店に足を運んだ。
見るだけではすまないだろうとも、心のどこかで思いつつ。

まず、見せてもらったルースの石の量に圧倒された。そんなにあるの???ってくらい。
初心者の私は、どうやって見せてもらう石を選んで良いかもわからず、とりあえず好きな色を伝えてみた。そしたら、青色の石だけを集めたケースが出てきたが、それだけでも山ほどあった。

どれもすごく綺麗で、だからこそ逆にこれ!というものもなく、これは本当に見るだけで帰ることになりそうだ、と、どうやって切り上げようか、心の中で言い訳を考えていたときに見つけたのが、透明感の全くない、トルコ石のようなつるんとした、青緑色の綺麗な滴型の石。

何か宝石っぽくないなぁと思った。でもすごく綺麗に見えた。
気になってどんな石か聞いてみると、なかなか珍しいものらしく店員さんもわからない、と言って、わざわざお店の宝石鑑定士の方を呼んでくれた。

鑑定士さんの説明によると、
【Gemsilica】という鉱石で、
クリソコラという鉱物に、珪酸化溶液(クォーツ)が染み込んでクォーツ化したもので、
クリソコラ単体では硬度が低すぎてジュエリーには使えないけど、クォーツ化することで硬度が高くなり宝石に匹敵するとのこと。

単なる鉱石がたまたまクォーツ化したから、その中でもたまたま綺麗にクォーツ化したから、宝石として扱われているとか…何そのたまらないエピソード。

この時点で、さっきまで帰ろうとしていた気持ちはどこかへ消え去り、次のステップであるデザイン選びに移っていた。
実はこのお店で、前から「いつか欲しいな」と思っていた指輪があった。親指と人差し指で、宝石を摘んでるようなデザインのもの。せっかくの機会だし、このデザインで作りたいなぁと相談したら、石が大きすぎて指の間に収まらず、飛び出た形になってしまう。そうなったときにデザインとしてどうかな…それでもよければ…とのこと。

いやいや、石を気に入って、好きなデザインで作れるけど、組み合わせて微妙とか絶対に嫌だ。でも、石が上に飛び出た感じでもいい感じになるのかどうか、実際に指につけられないから上手くイメージできず、しっくりもこない。ここがオーダーメイドの難しいところだよ…
と、めちゃくちゃ悩んでいたら、デザイナーの伏見さんが颯爽と登場した。店員さんと2人で、今の悩みを話すと、「そうですね…石の滴型を活かして、上を摘む感じにしませんか?」とのご提案。

なぜ今まで、「石は"上に"飛び出してしまう」と思い込んでいたんだろう。別に下に飛び出たって何の問題もないのだ。っていうか、もうそれ絶対可愛いじゃん!!!!!見なくてもわかる!!!
やっぱりデザイナーってすごい…!

と感動して即決。

で、月日を経て2020年3月21日、手元に完成品が届きました。(本当は3月頭には完成予定だったんだけど、ちょっといろいろあって遅れてしまった)
それがこれ。

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可愛い。最高。Bella!Bella!!!

調べてみたらGemsilicaは
女性性の究極、愛、癒し、富、幸運の石
って言われているらしく、
実はこの指輪のデザインの名前はFortuna(イタリア語で幸運)。
図らずして意味までぴったりだった。もう、これはお守りだ。お守りにしよう。するしかない。

というわけで初のオーダーリング、
正直かなり背伸びして、作ってしまったけど、後悔は一切していない。
一つくらい、自分のアイコンになるものを身につけることにも憧れていたから、この指輪がそうなったらいいなと思っているし、指輪に見合う女性になりたいな、とも強く思っている。

 

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