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高校時代の彼氏の話 2/2

高校時代の私は恋愛よりも家のことで頭がいっぱいだった。

保護者との関係は彼氏と付き合い出した頃はまだマシだったが、どんどん悪化していった。

家にいたくないからフリーター並みにバイトを入れていた。

彼氏の話の記事だが、高校時代の自分を語る上で保護者とのことは外せない。
少しお付き合いください。

「保護者」と表現する理由

保護者とは10年以上会っていない。
もう会うことはないと思う。
この一連の記事を書くにあたって久しぶりに存在を思い出した。
あの人をどう表現するか。
どうしても一般的な呼び方で書きたくない。
かつて私の保護者だったおばさんをどう表現するか。 

ん?

そうだ!
保護者だ!

というわけです。

とにかく家にいたくない

誰にも保護者との関係を話したことがなかったが、上手くいっていないことはバレバレだったようだ。
大声で言い合うので近所では有名だったが、保護者に会ったことがない人にも思われていたので相当だろう。

彼氏は気づいていた。
友達も気づいていた。

私は深刻に考えていなかった。
ただただとにかく家にいたくないというだけ。

ほぼ友達の家で暮らしていた。
関西に出てくるきっかけになった友達である。

彼氏と付き合って約1年後の高校3年からは、土日は彼氏の家で過ごすことが多く、平日は引き続き友達の家にいた。

保護者は私と話したいときはバイト先に電話するしかなかった。

彼氏の決意

彼氏の家に泊まり始めた頃、彼氏のお母さんが私がいるところで彼氏を叱責したことがあった。
「高校生の女の子を家に帰らせないで何やってるの。」

ごもっとも。

彼氏の返しが衝撃だった。

「俺は晴嘉を家にいさせたくない。」
「晴嘉は家族ってどういうものなのか知らないんや。」
「うちは家族やろ?なぁ、普通の普通の家族やろ?だからここにいて、家族ってこういうもんなんやって知ってほしいんや。」
「おとんにはもう話したけど俺が高校卒業したら一緒になりたいと思ってる。」
「俺は晴嘉に家族っていいもんなんやって思ってほしいんや。」 

この言葉を聴いた彼氏のお母さんが彼氏を別室に誘導して二人で話し始めた。

一人リビングに残された私。

衝撃だった。
え?私、家族ってどういうものなのか知らないの?
一緒になりたいと思ってることよりもそっちが衝撃だった。

将来のこと

二人が別室から戻ってきた。
彼氏のお母さんは私に特に何も言わなかったが、その後何日いても咎めることはなくなった。

彼氏の部屋で二人きりで話した。
彼氏が話し始めた。
「晴嘉にしてなかった話をあんな形で聞かせてしまってごめん。俺が黙ってたらおかんが晴嘉を責めそうやったから言ってしまった。」

「晴嘉は家にいたくないんやんな?」

「なんで知ってるん?」

「見てたらわかるよ。」

「見てないやん、家遠いし学校違うし、なんでわかるん?」

「わかるよ。」

「おとんとはもう話したんやけど、俺はおとんの後を継ぐ。あと3年かかる。晴嘉は来年卒業や。てゆうか卒業してな。卒業したらここに住んでもいいし、どこかに家借りてもいいと思う。」

彼氏は当時16歳。
自営業の家の長男として将来のことを考えながら生きていたのだ。
付き合い始めてからずっと思ってたけど、ますます年下とは思えなかった。
私は将来のことを考えたことがなかった。
考えたことがないというより、考えることができないという表現が正しい。

私は何も答えることができなかった。

将来のことを考えることができないのは44歳になった今でも変わらない。
我ながらびっくりする。

まさかの続く

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