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韓国の市外・高速バスの予約システム

まず、初回の記事について、個人的主観で乱雑な文章にも関わらず多くの方にお読みいただいたことを感謝申し上げたい。
2回目からは少し専門分野の入った内容になってくるが、ブログの発展形という体裁でやっていくため、どうかご理解いただければと思う。

・韓国の市外バス、高速バスの予約システムはややこしい!?

今回は韓国の高速バス、市外バスの予約システムについて少し話していきたいと思う。
韓国における高速バス、市外バスの定義については簡単に解説することは非常に難しいが、主に高速道路を経由して中長距離を直行するバスが高速バス、高速道路走行の有無に関わらず短距離の都市間や複数都市を経由しながら運行するバスが市外バスと考えるのが妥当だろう。これについては別の機会に説明できればよいと思う。

今回は韓国の高速バス、市外バスの予約システムに特化していきたい。
韓国の高速バス、市外バスの予約システムについては、主に3つのシステムが用いられている。
各予約システム共にWEBサイトがあるため、箇条書き部にリンクも掲載する。日本語にも対応しているので、切り替えるなどしてご覧いただきたい。

1.KOBUS
全国高速バス運送事業組合などが運営する主に高速バスの予約システム。
江南のソウル高速バスターミナル(京釜線)を始め、高速バスの発着するターミナルではこの予約システムを用いる場合が多い。

2.市外バス統合システム
T-moneyの運営会社が運営を行う市外バスの予約システム。
北部、中部の市外バスターミナルではこの予約システムを用いている所が多く、南部でも一部のバスターミナルで使用されている。

3.BusTago
Cashbeeの運営会社が運営を行う市外バスの予約システム。
釜山(東部・西部)、海雲台、東大邱、浦項、慶州といった南部の市外バスターミナルではこの予約システムを用いている所が多く、一部京畿道など北部のバスターミナルもこの予約システムを用いている所がある。

以上の3つが主な予約システムとなっている。
韓国では、高速バスについては各バスターミナル共にKOBUSの予約システムで統一されているが、市外バスは各バスターミナルごとに使用している予約システムが異なっている。
しかも全てのシステム共通で各バスターミナルではそのバスターミナル発の乗車券しか購入、発券することができない。
(例:ソウル高速バスターミナルで東大邱発ソウル行きの乗車券の購入は不可)

・自動券売機にも意外な盲点が…

韓国の高速バス、市外バスターミナルのほとんどには乗車券を購入できる自動券売機が設置されている。しかし、自動券売機は多くがクレジットカード、デビットカード等でのカード決済専用となっていて、現金での支払いができない。一部、現金に対応した自動券売機が設置されているケースもあるが、非常に数が少ない。韓国のカード社会を実感する瞬間である。

仁川バスターミナルの自動券売機。全てカード決済専用機である。

それではカード決済をしようと考える人も多いと思うが、ここでさらに大きな壁にぶつかる。
韓国の高速バス、市外バスの自動券売機は「韓国発行のカードしか使えない」ものが多く存在する。
そういった自動券売機では日本で発行された国際クレジットカードで決済しようとすると、決済できないのである。
さらに窓口でも同じ予約システムを用いている関係上、同じように国際カード決済ができない場合が多々ある。結果的に窓口で現金(韓国ウォン)で乗車券を買うしかないということも多いのである。

ここまで韓国の高速バス、市外バスの予約、乗車券購入に際して、マイナスポイントばかりを上げてきたが、韓国はバス社会でもあり、賢く使えば韓国では高速バス、市外バスを使うことで便利で快適な旅をすることができる。
そこで、ここからは韓国で高速バス、市外バスの乗車券を購入するにあたっての便利情報を上げていきたいと思う。

・KOBUSは基本的に国際カード決済に対応していて問題はない

先に説明した3つの予約システムのうち、高速バスの予約システムに用いられている「KOBUS」については、WEBサイト予約、自動券売機での直接購入のいずれも国際カード決済に対応している場合がほとんどである。日本発行のクレジットカード、デビットカードにてWEBサイトでの予約、乗車券の購入を何度もしているが、決済できなかったケースはほとんどなかった。
(セキュリティロックなど別個の理由で決済できないこともあるので、念のため幾らか現金は持っておいてほしいと思うが)
ソウル高速バスターミナル(京釜線)などを利用の際は国際クレジットカード等を持参していくと便利だと思う。

ソウル高速バスターミナル(京釜線)のKOBUSシステムの自動券売機。日本語にも対応している。

・市外バスはBusTagoのシステムが国際カード決済に対応

市外バスの予約システムについては、原則として「BusTago」の予約システムは一律で国際カード決済に対応している。
BusTagoのシステムを使用している自動券売機、窓口いずれも基本的に国際カードに対応しているので、日本で使っている国際クレジットカードを持参すると便利だと思う。
BusTagoのWEBサイトからの事前予約については韓国語サイトからの予約のみに対応しているので、外国人の利用は難しいと感じた。

江陵市外バスターミナルに設置されている「Bustago」システムの自動券売機。
こちらも日本語表示への切り替えに対応していた。

一方「市外バス統合システム」を採用しているバスターミナルでは国際カード決済ができない場合がほとんどである。
このような場合には窓口にて現金(韓国ウォン)で乗車券を購入するか、「WOWPASS」という韓国発行のカード同等の機能を持つ外国人向けのカードを手元に用意するとカード専用の自動券売機が使用できるので便利だ。
WOWPASSについては当方の運営するブログの記事にて詳しく紹介しているので、興味のある方はご覧いただきたい。

尚、例外として、東ソウルバスターミナルの自動券売機は市外バス統合システムを使用しているにも関わらず、国際カード決済ができることを確認している。もしかしたらこのような場所が他にもあるかもしれないので、確認された方がいらっしゃればコメント欄などで教えていただけるとありがたい。

東ソウルバスターミナルの市外バス統合システムの自動券売機。
こちらも日本語表示に切り替えが可能で操作も簡単である。

最近は高速バス、市外バスの自動券売機が共通化している場所も増えてきたが、この自動券売機の場合は国際カード決済が使用できるかどうかが場所によって異なる。
この自動券売機の場合、大半の場所では高速バスはKOBUSのシステム、市外バスは市外バス統合システムを採用している場合が多い。
よって、高速バスは国際カードで決済できたが、市外バスはできなかったという事例も今までに経験している。
こういった場所では念のため、国際カードのほかに韓国ウォンやWOWPASSなどを持参することをおすすめしたい。

大田複合バスターミナルの自動券売機は高速バス、市外バス共通になっている。
日本語表示への切り替えにも対応している。

どのバスターミナルがこのシステムを導入しているかについては、私が把握しているものについては、私の運営しているブログ「世界バス轉運站」のバスターミナルの紹介記事に反映するようにしているので、参考にしていたたければと思う。


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