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アパレル業界においてのMDの役割

こんにちは、

今回はアパレル業界においてのMD(マーチャンダイザー)の役割について少しお話ししたいと思います。

なぜこの話をするのかと言うと、最近日本のアパレル業界に置いてMDという役割が軽視されていると感じたからです。

まずはMDとは何をする人なのか?
から説明しますと、実はMDという業務は会社によって業務範囲が違ったり、捉え方が違いかなり多岐に渡ってブランド運営を支える要となる業務です。

MDには大きく2つの役割があり、

1、ブランド全体の計数計画の立案、管理
2、商品の設計

簡単に言うとこの二つの業務に分かれると考えています。

まず、年間の売上や利益の予算に応じて、それらを達成するための数字のロジックを組み立てて行く事が必要です。

企業やブランドでは年間の目標を達成するためにどれくらいのお金が必要で、どれくらいの人員数、どう言ったスキルの人間が必要かを考えた上で、企業・ブランドの運営にあたらなければなりません。
それを考える為に年間の計画を月、週、日の単位にブレイクダウンして日々の進捗管理をしていき、計画の修正や、着地を予想して行くと言うことです。

どれだけ優れたデザイナーがいても、販促が出来ても、どれだけ安く物を作れても、そもそもの計画が間違っていると、運営して行く中で「在庫が足りない」、「売れていたはずなのに最終在庫がすごく残ってしまう」等が発生してしまいます。

なので、MDによる計画の中でどれだけ精密かつ細部までを、周到に計画されているかがブランド全体の運営におけるキモとなってきます。

もう一つの商品の設計に関してですが、例えば企画する商品の構成を、この週は気温がこうなる見込みだから、このアイテムの需要が高まる、この月はこういうイベントがあるからこのアイテムを数品番入れておこうなどの判断をして、マーケットのニーズに合わせて、店頭の見え方や商品構成を最適化していく事が必要です。

それを間違えると、「今競合ブランドではスカートが売れているのに、うちのブランドにはパンツばかりだ」などのエラーが発生してしまいます。
それを避けるためには頭の良さだけでなくトレンドを見据えた計画を立てる感性も必要とされます。

なので1、2共に言える事ですが、MDは企業やブランドにとって頭脳と言える役割を果たします。

MD人材とはベースに数字への理解を深く持ちながら、商品のトレンドなどに敏感で情報を持った人材でなければいけません。

しかしながら、現在の日本のアパレル企業において、この様な人材はそう多くはいません。
多くの企業は優れたデザイナーを求め、優れた販促が考えられる人材を求めます。
そう言った中でMDという業種を軽視するあまり、
【何故か思う様に売れない】、【何故か思う様に利益が取れない】などの状況が起こり、これら全てをコロナ禍のせいにして納得しているところがある様に感じます。

コロナ禍となり既に3年目となる状況で、ある程度のイレギュラーを見越して計画を立てる能力があれば売上、利益の最大化は出来るはずなのに、自身の組織に足りない部分を理解していない企業・ブランドが多い様に感じます。

大手企業ですらこの様な状況に落ち入り、思う様に数字に繋がらないところがほとんどで、そこが優れていたファーストリテイリングですら、そこに対して脇が甘くなっている様に感じます。

事業運営における4W1Hの、
何を売るか?
誰が売るか?
どこで売るか?
いつ売るか?
どうやって売るか?
の全てにおいて、MDの計画が土台を作り、この土台が盤石であればあるほど、企業・ブランドの安定感は担保されます。

わかりやすく言うと、家を建てる時に、デザインにこだわり、立地にこだわり、素材にこだわり、作る職人に拘っても、基礎工事がおざなりになるとその家の耐久性は担保されず、大きな地震(今で言うとコロナ禍)が起こった時に崩れてしまうと言う事です。

ですので、アパレル企業やブランド運営をする方達には是非、優れたMD人材の雇用や、育成、コンサルタントなどを活用して、コロナ禍におけるアパレル業界で活路を見出して欲しいと思います。

筆者も長いアパレルMDの経験を持つので、相談などは承りますので、宜しければご連絡頂けますと幸いです!


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