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RAW現像ソフト、どれが良いの?(切実)

RAW現像を再開しようかな…なんて思いついてしまった。
RAW現像をするにあたり、数多とあるソフトの中から一つを選ばなければならない。非常にチャレンジングな命題である。
今回の記事は、まずスタート地点。
恐らく各ソフトの使い方やメリット、デメリット等の情報は、YouTubeを漁れば一通り出てくると思うが、自分がどうこだわるか、等独自の観点も入れ込んで検討したい。


プロローグ、のようなもの

世の中色んなループがあると思う。
物理的なものでは伊豆半島のループ橋(河津七滝ループ橋)が好きだ。
仕事ではループとは言わないけどPDCAサイクルを回し、人生では朝起きて夜寝るループを回す。稀に貫徹してループを回さないことがあるから体内時計的には実年齢より1か月くらい若いはず。
さてカメラにおいても、機材が欲しい、調べる、試す、買う、を一つのサイクルに、様々な要因によりペースの疾徐こそあれど、多くの人がそのようなループの中を泳いでいると思う。
そう、「沼」だ。

RAW現像においても、そんなループが存在している。
カメラを始めた当初はそもそもRAWなんて知らないので意図せずJPEG撮って出しで勝負する。そもそも勝負などと思わない方が幸福度は上がると思うが、そんな時期を過ぎるとメニューでRAWファイルフォーマットを見つけて、何だこれ?と思い設定してみる。よく分からないがメリハリの無いボヤっとした写真が撮れて、何もメリットを感じず暫くRAWの存在を忘れる。
そうこうしているうちに、ちらほらと「現像」の足音が迫ってくる。
そしてRAW現像ツール(ソフト)に手を出しあれこれやっているうちに、JPEG撮って出しで撮ってた方が悩みも少ないし工数かけずに楽しめるし、むしろ現場で如何に作り込むか、というところに頭を使い始め、JPEG撮って出しを前面に押し出す(料理でいえば素材の収穫に当たる現場での撮影にこ拘るのはRAW現像をする、しないに関わらず絶対に重要だと思う)。
私はそんなタイミングで子どもが生まれたこともあり、一旦JPEG撮って出しスタイルに戻った。
なお見出しの写真はLUMIX DC-S5で撮って出し。

そして、今まさに、現場でどう頑張っても出来ない事をするために改めてRAW現像が必要なんじゃないか、とか、WBや仕上がりに頭と時間を使うよりもそこは後工程に任せた方が良いんじゃないか、と思い始めている。
そもそもLeica M Typ 240の液晶画面でWBの調整なんて考えるだけ無駄だ。
いや、カメラ全般に、カメラ本体の画面はどこまで色再現性が担保されているかなんて分からない。
結果、久しぶりに「RAW現像ソフトマーケット」を眺めている。

やりたいこと

やりたいことは、現場で煮詰めきれない部分を救いたい、それだけである。
悩みは、先述の通り、どのソフトにするのか。
(それ以前に、何故その写真を撮りたいのか、という自分自身の意識の改善をしないと現像時に袋小路に迷い込むのだが…。)

まずは本案件を整理してみよう。

ゴール

顧客(私自身)がやりたいこと(ゴール)は割とシンプル。

  • 一つのソフトで所有するデジタルカメラ全機種のRAW画像を現像したい

状況整理

顧客(私自身)の置かれた環境を整理する。

  • 容姿も才能も平凡な昭和末期生まれのサラリーマン

  • 日常的にカメラを持ち運び、些細な出来事も撮影している

  • 子育て中

  • 使用している機材はLumix DC-S5、Leica M Typ 240

  • 機材(特にボディ)を選ぶ際は撮って出しの画質を重視

  • テザー撮影はしない

  • 独学によるRAW現像経験は有り

通勤時も鞄にカメラを入れているので、そこそこの枚数を撮影することになるが、子育て中ということで、RAW現像に割ける時間とお金はあまり無い。格好良く言うと、事業計画に対するリソースが限られている。
するとある程度パターン化したパラメータを保存できると嬉しいのではないか。
LUMIXとLeicaでは割と両極端な撮って出し画像が撮れるが、そもそも撮って出しの写真が好きでこの機材を所有した以上、出来れば各社のJPEG撮って出し仕上がり風の状態を作れるパラメータを残したい。
昭和生まれというのは地味だがポイントで、フィルムの画質(正確にはフィルムで撮った写真をプリントした際の雰囲気)を知っている。
あの柔らかで湿度感を感じられる仕上がりは一つの到達点として目指したい。

テザー撮影をしないのでRAW現像に特化したツールで良く、そして一度RAW現像をやっていた経験があるので導入時の教育コストは低い。

過去事例

子どもが生まれる前にやっていた時の状況を顧客(私自身)にヒアリング。

以前使っていたカメラボディはNikon D810、Lumix DC-G9、Canon EOS Kiss iX6であり、それぞれCapture NX-D、SILKYPIX 8 SE、Digital Photo Professional 4を使ってRAW現像をした経験がある。
現像工程において、各機種で使い分けるのが面倒だしPCリソースを喰うので、共通に使えるRAW現像ソフトの導入を考え、Luminar3、darktable3.0、RawTherapeeを試用した。

顧客(私自身)談

当時のメモ書きを基に、各ソフトへの印象をまとめると以下のようになる。

Capture NX-D

Nikonの純正RAW現像ソフト。
まさにNikonという仕上がりの、高品質な画像を作れる反面、とにかく動作が重い、特にレタッチのとき(PC性能による影響の可能性有)。
Nikonのボディを使ったことがあれば、各機能はほぼ直感的に扱えるので、難易度は低い印象。
使いやすさ★★★★☆
仕上がり ★★★★☆
操作性  ★★★★☆
動作安定性★★☆☆☆
コスパ  ★★★★★

Digital Photo Professional 4

純正とは思えないサクサク感が印象的だったが、殆ど触ることなく使用をやめてしまったので、難易度については評価できないし、操作性についてもフェアな評価は出来ないが、局所的な修正などの機能は無かったかもしれない。
使いやすさ-
仕上がり -
操作性  -
動作安定性★★★★☆
コスパ  ★★★★★

SILKYPIX 8 SE

最初にCapture NX-Dを使ったため、操作性を理解するのに苦労した印象。
カラーホイールのような部分の機能については最後までちゃんと使いこなせなかったが、日本のベンダのソフトで使い方も本家のWebサイトに十分な量の説明がある。
機能を理解すれば難しいこと考えずにサクサク進む。
HDRは便利だし使える反面、暗部が潰れてコントラストが著しく低下する場合があった。
使いやすさ★★☆☆☆
仕上がり ★★★☆☆(たぶん使いこなせなかっただけ)
操作性  ★★☆☆☆
動作安定性★★★☆☆
コスパ  ★★★★★

Luminar 3

既に後継バージョンが出ており、フリーになっているタイミングで入手した。AI機能が売りの同製品だが、個人的にはAIでの編集はCGみたいで好きになれない。何なら他の製品にも搭載されている不要物の除去機能でさえ好ましくは無い(が、イメージセンサダスト等の除去はしたい…)。
このソフトも色々な機能が付いている反面、上記の理由もあり、使った機能は少なかった。
使いやすさ★★★☆☆
仕上がり ★★★★☆
操作性  ★★★☆☆
動作安定性★★☆☆☆
コスパ  ★★★★★

darktable3.0

フィルミックRGBはかなり使える印象を受けたが、使いこなすためには機能を理解し相当使い込む必要がありそう。
機能が多すぎるため、あれこれと弄っているうちに袋小路に迷い込むイメージ。確固たる完成イメージと技術が必要で、難易度が高い印象。
個人で使い方を説明されている日本人の方のWebページがあったが、それでも難しかった。
理論としてRAW現像を理解していないといけない印象。
使いやすさ★☆☆☆☆
仕上がり ★★★☆☆
操作性  ★★★★☆
動作安定性★★★☆☆
コスパ  ★★★★★

RawTherapee

色々と弄って、各パラメータが決まった時の完成度は高い印象。
暗部が潰れやすい(カーブベースの処理だから?)。
操作性が低い(スライダーが動かないときがある)。
使いやすさ★☆☆☆☆
仕上がり ★★☆☆☆
操作性  ★☆☆☆☆
動作安定性★★★☆☆
コスパ  ★★★★★

darktable3.0とRawTherapeeは、結局歩留まりというか、作りたいと思った仕上がりに近づけるのが非常に難しく、出来上がった画像が濁ったような色になってしまう印象が強い。

検討中のソフト

顧客(私自身)に、所感と共に候補となるソフトを提示。
価格表示は全て2023年10月5日時点のもの。

Capture One

買い切り出来るのが良い。が、以前より価格上がった?
サブスクと買い切りが選べる。
サブスクの場合はいつでも最新機能を使えるが、買い切りの場合でも新バージョンがリリースされた場合に多少リーズナブルに購入できるように読み取れるが、本家Webサイトの価格体系やそのメリットについての解説がいまいち分かりにくい。
サブスクの場合、¥1,777.5/月。年間¥21,330。
買い切りの場合、¥50,900。

なお、Capture OneにはLoyalty Programが存在する。
サブスクを5年続けて解約する場合、買い切り板を無料で手に入れられる。
その場合、¥1,777.5×12×5=¥106,650であり、買い切り版を購入後、もう一回買い切り版を購入したほうが安い。
なおサブスクを何年間継続したかによって買い切り版の値段が変わるので、色々パターンは考えられる。

良さそうなこと:恐らく業界トップレベルの性能
懸念点:値段

Lightroom

言わずと知れたデファクトスタンダード。
各カメラメーカーの新製品のプロファイル対応のスピードは恐らく随一。
逆に、新製品をどんどん買い替えないようであれば、ここの強みは自分にとってはそこまで価値があるわけではない。
何より、サブスクしかないのが嫌だ。
サブスクの場合、¥1,078/月。年間¥12,936。

クラウドサーバが1TBついてくるが、それを20GBで我慢してPhotoshopとの組み合わせにしても同じ値段。
個人的には従来より写真管理はAmazon Photosを使っていて、かつ、そのとき感じた新鮮な感覚のままでRAW現像を行い、JPEGに固めてしまいたいので、写真置き場としてのサーバ容量は20GBでも良いかな。
モバイル端末での編集は考えていないので作業領域としても不要。

Photoshopって皆さんどれくらい使ってるんですかね。
ちゃんと調べてメリットを確認しておきたい。

動画編集はDaVinci Resolveを使っているのでPremiereは興味無し。

良さそうなこと:デファクトスタンダードであるが故の様々な恩恵
懸念点:料金体系、そしてPhotoshop必要有無の検討

SILKYPIX DEVELOPER STUDIO 11 Pro

一度SE版で同製品ファミリを使ったことがあるので安心感がある。
新しいデモザイク処理技術「クリアビュー」は凄く気になる。
買い切り出来るのが良い。逆に、買い切りしか無い。
買い切りの場合、¥22,000。

イメージ通りの仕上がりが実現でき、かつ使い方に慣れればコスパ最高と言えるであろう。

良さそうなこと:国産である安心感、特に本家の説明文がリッチ
懸念点:性能を引き出せるか不安

DxO PhotoLab 7

ノイズ除去性能が素晴らしいと目にし、興味を持った。とはいえ、自分の用途でノイズがそこまで邪魔になるシーンは少ない気がする。
「優れたレンズシャープネス補正」とかはSILKYPIXのクリアビュー機能と近そう。
こちらのソフトも、買い切り出来るのが良い。
買い切りの場合、¥25,900
なお、同社製のFilmPackもめちゃくちゃ興味がある。
買い切りの場合、¥14,900
合わせると¥40,800。同時購入では¥33,000になるらしい。悩ましい…。

良さそうなこと:様々な補正機能に強みがありそう
懸念点:まだ自分自身での調査が不足しており情報不足

Luminar Neo

AIによる「本来そこに無かった景色」を画像に付加してしまう機能がとても受け入れられない。しかし、基本的なRAW現像ができたり、本来目には映っていた入り表現したかったことが撮影時には実現できなかった、等の場合には強力な補正ツールになる可能性がある。
サブスクの場合、以下の3通りの支払いパターンがある。
1か月毎の更新では、¥1,480/月。年間¥17,760。
12か月分として購入すると、¥915/月、年間¥10,980になり少しお得。
24か月分として購入すると、¥666/月、年間¥15,980になり更にお得。
買い切りでは、2023/24クリエイティブジャーニーパスというのがあり、なんと¥59,980のところ今なら¥26,980。
なんか某テレビ通販のような文体になってしまった。

良さそうなこと:色々と支払いプランを選べる
懸念点:絶対に使わないであろうAI機能にも金を払うのは、精神衛生上良くない

まとめ

取り急ぎ、上記で挙げたソフトは基本的に試用期間があるので、お試しする中で顧客(私自身)が潜在的に考えている、より具体的な要求事項を掘り出していきたいと思う。

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